エイサー・ASUS、中国ODMに発注か


ニュース 電子 作成日:2019年11月25日_記事番号:T00087035

エイサー・ASUS、中国ODMに発注か

 25日付経済日報によると、中国のODM(相手先ブランドによる設計・生産)大手、華勤通訊技術がこのほど、台湾の宏碁(エイサー)、華碩電脳(ASUS)からノートパソコン生産を初めて受託したもようだ。台湾のノートPC受託生産大手4社は、世界シェア上位5社に含まれる。華勤通訊が今後、中国の紅色供給網(レッドサプライチェーン)の供給する低価格の部品に支えられ、シェアを拡大すれば、台湾受託メーカーへの影響は必至で、中国勢にリードを許したパネル業界の二の舞になると危惧する声も上がっている。

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 エイサーとASUSは、広達電脳(クアンタ・コンピューター)や仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)など台湾の受託メーカーに生産を委託しているとされるが、ノートPC製品の利益が圧迫される中、価格競争力のある中国メーカーへの一部切り替えに至ったようだ。

 業界関係者は、華勤通訊はまず、エイサーとASUSのロー~ミドルエンド機種を受託生産し、将来的にはミドル~ハイエンド機種も手掛けるとの見方を示した。現時点では技術力は台湾の受託メーカーに及ばないものの、▽価格▽資金力▽労働力▽市場──などを擁し、徐々に技術面での差も埋め、京東方科技集団(BOEテクノロジーグループ)などに台湾の液晶パネルメーカーが追い抜かれた状況が再現する恐れがある。

 ノートPCの部品コストのうち液晶パネルは、中央演算処理装置(CPU)に次いで構成比が大きい。BOEやTCL華星光電技術(CSOT)などの中国パネルメーカーの台頭は、中国の受託メーカーにとって有利な展開だ。

 市場調査会社のIDCの調査によると、今年第2四半期のノートPC世界組み立て出荷台数は台湾の受託メーカーがシェア82.3%を占めた。上位5社は、▽コンパル、シェア30.5%▽クアンタ、21%▽聯想集団(レノボ)傘下の聯宝(合肥)電子科技(LCFC)、10%▽緯創資通(ウィストロン)、9.4%▽英業達(インベンテック)、9.1%──の順だった。

台湾で人材物色

 華勤通訊は2005年設立と後発だったが、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)、小米集団(シャオミ)、レノボ──などからスマートフォン生産を受託しており、中国で2位以内のODMだ。

 16年にはノートPC分野に参入し、17年に米半導体大手、インテルと提携した。同年にインテル傘下の投資ファンド、インテル・キャピタルなどから8億7,000万人民元(約134億5,000万円)のシリーズAラウンドの資金を調達し、インテルとノートPC分野のみならず、サーバー分野でも協力関係を深めている。同社のノートPC出荷台数は、18年の150万台から19年には420万台に増加する見通しだ。

 観測によると、華勤通訊は台北事務所を設立しており、ノートPCの▽構造▽放熱▽高周波(RF)▽電磁両立性(EMC)▽システム分析▽テスト──やサーバーのハードウエアの分野で、エンジニアの大規模な人材募集を行っているとされる。中国現地の従業員の倍相当の高待遇の提示もあるとされ、研究開発(R&D)力の向上を狙っているようだ。

【図】