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蘭嶼の放射性廃棄物施設問題、タオ族に25億元補償


ニュース 公益 作成日:2019年11月25日_記事番号:T00087052

蘭嶼の放射性廃棄物施設問題、タオ族に25億元補償

 行政院が1970年代に、原住民のタオ族による同意を得ずに台東県の離島、蘭嶼に低レベル放射性廃棄物の貯蔵施設を建設したことを巡り、蔡英文総統は22日、タオ族住民に総額25億5,000万台湾元(約91億円)の補償を行う方針を明らかにした。原子力発電関連の補償では過去最高額となる。23日付蘋果日報が伝えた。

/date/2019/11/25/15lanyu_2.jpg蔡総統(中)は、真相の究明こそ、原住民への転型正義(移行期の正義)の目標だと強調した(22日=中央社)

 蔡総統は2016年の就任後、原住民に過去の経緯を謝罪し、調査を指示。昨年には、蒋経国行政院長(当時)らがタオ族の同意を得ずに、貯蔵施設の建設計画を進めたとする調査報告をまとめていた。今回の措置はそれを踏まえたものだ。

 貯蔵施設は82年に使用が開始され、同年5月から96年にかけ、10万277本の貯蔵容器が運び込まれた。地元住民はこれまで貯蔵施設の移転を求める抗争を長年展開してきた。

 今後は財団法人格の補償基金会が設置され、基金は医療などの生活福祉に充てられる。

 環境団体「緑色公民行動聯盟」の崔愫欣秘書長は「反原発団体の関心は放射性廃棄物がいつ蘭嶼から移送されるのかだ」とコメント。蘭嶼郷の夏曼・迦拉牧郷長は「補償は補償であり、放射性廃棄物は必ず蘭嶼から運び出さなければならない」と訴えた。