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国父紀念館の景観守れ、並木道で台北ドーム隠す計画


ニュース 社会 作成日:2019年11月26日_記事番号:T00087079

国父紀念館の景観守れ、並木道で台北ドーム隠す計画

 中華民国の「国父(国家の父)」とされる孫文を記念する施設、国父紀念館(台北市信義区)を正面から眺めると、その後方に建設が途中で止まったままとなっている台北文化体育園区(通称・台北ドーム)が見える。これが紀念館の見栄えを損なっているため、間もなく始まる改修工事の際に、ドーム施設に目がいかないよう、正面に並木道を設置することが計画されている。

 国父紀念館は孫文の生誕100年を記念して1968年に着工し、72年に完成した。現在、正面玄関から50~80メートル離れた地点に立ってカメラを構えると、後方左側に台北ドームが、右側には高層のホテルやオフィスビルが写り込み、建物の存在感を弱めてしまう。

 一方、玄関から20メートルほどの距離まで近づくと台北ドームやホテルは見えなくなるが、今度は近過ぎて紀念館の全体像を捉えることができなくなる。

 このため改修工事では、紀念館の正面に設置されている花壇を撤去し、両脇に40株のクスノキから成る並木道を作ってドームやホテルを見えにくくする方針だ。また玄関前の噴水池も、その大きさや高さを調整して周辺の視界を広げ、紀念館に視線が集まるようにする。

 なお、国父紀念館の設計者、王大閎氏が作成した設計図によると、当初は正面に並木道を設置する計画だったようで、台北市政府文化局の田瑋副局長は「改修により50年前に計画された設計を取り戻すことになる」と語った。

 改修工事では紀念館内部の観客席や階段などのバリアフリー化を進め、天井板の材質を変更してより音響効果を高めることも計画されている。同施設で毎年開催されている映画賞「金馬奨」や音楽賞「金曲奨(ゴールデン・メロディー・アワード)」の授賞式をより盛り上げてくれるに違いない。