ヌヴォトン、パナソニック半導体事業を買収


ニュース 電子 2019年11月29日

ヌヴォトン、パナソニック半導体事業を買収

記事番号:T00087144

 華邦電子(ウィンボンド・エレクトロニクス)傘下のファウンドリー、新唐科技(ヌヴォトン・テクノロジー)は28日、パナソニックの半導体事業会社を2億5,000万米ドルで買収すると発表した。来年6月に買収完了予定だ。ヌヴォトンは、今後の成長が見込まれる第5世代移動通信(5G)対応スマートフォン向けや車載用イメージセンサーなどを強化する。29日付工商時報などが報じた。

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 ヌヴォトンは、パナソニックの100%子会社、パナソニックセミコンダクターソリューションズ(PSCS)の日本と中国・蘇州にある6インチ、8インチウエハー工場の2基を手中に収める。買収の対象には、PSCSとイスラエルのファウンドリー、タワーセミコンダクターの合弁会社「タワージャズ・パナソニック・セミコンダクター(TPSCo)」の持ち分(49%)も含まれる。TPSCoは富山県などで3工場を稼働する

 ヌヴォトンの黄求己財務長は、同社とPSCSが生産する製品は大部分が重複せず、日本を含む世界での市場シェア拡大に寄与すると説明した。サプライチェーンによると、PSCSは高周波(RF)モジュールに使用される窒素ガリウム(GaN)、3次元(3D)センサーモジュールのレーザーダイオード(LD)などの新技術や、イメージセンサーの生産能力を持つ。ヌヴォトンは今後、こうした技術や生産能力を活用することで、普及拡大が見込まれる5G対応スマホ向けの新規受注獲得が狙える。特にイメージセンサーは、スマホ1台当たりのカメラ搭載数の増加で供給不足になっている他、今後は車載用カメラモジュールの需要増によってさらに成長する見通しだ。

 なお黄財務長は、PSCSの従業員2,000人余りについては現時点で削減の予定はないと説明した。

黒字化めどに言及せず

 パナソニックにとっては、半導体事業からの撤退を意味する。同社の半導体事業は、1990年代に半導体販売額で世界10位だったが、その後は台湾や韓国のメーカーに取って代わられた。2019年3月期の赤字額は235億円に上る。

 これについてヌヴォトンは、合併後初期の財務状況に影響を与えると指摘。今後の黒字化のめどについては、財務予測に関することであり論評しないとコメントした。

海外買収相次ぐ

 ヌヴォトンの他、台湾ファウンドリー業界では海外企業・拠点の買収が相次いでいる。聯華電子(UMC)は10月、15.9%出資していた富士通セミコンダクターとの合弁の12インチファウンドリー、三重富士通セミコンダクター(MIFS)の残りの株式を544億円で取得した。

 台湾積体電路製造(TSMC)傘下の世界先進積体電路(VIS)は、グローバルファウンドリーズ(GF)のシンガポール8インチ工場を年末にも取得する予定だ。

【表】