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検疫犬不足、直航便スタートで深刻に


ニュース 社会 作成日:2008年7月10日_記事番号:T00008717

検疫犬不足、直航便スタートで深刻に


 中台間の週末直航チャーター便が4日からスタートしたことで、空港の検疫体制が問題になっている。台中空港は中台直航便の検査に検疫犬を確保することができない状況で、桃園空港でさえ検疫犬によるチェックができないフライトが65%以上に上っているという。

 現在、台湾にいる検疫犬は23匹で、桃園空港に15匹、高雄小港空港に4匹、金門空港と台北郵包中心に各2匹が配置されている。

 桃園空港の場合、貨物担当は4匹、旅客荷物担当は現在骨折治療中の1匹を含む11匹。同空港には1日に200機以上のフライトが到着するが、1匹の検疫犬がチェックできるのはせいぜい8機。つまり、65%以上のフライトは検疫犬によるチェックを免れていることになる。

 行政院農業委員会棒植物防疫検疫局(防検局)によると、検疫犬が07年に摘発した持ち込み禁止物は約40トンで、全体の73%に上った。検疫犬はベテラン犬になると100種以上のにおいを嗅ぎ分けることができ、農産物が入っていたビニール袋のにおいや、スーツケースに隠された小さな果物1個のにおいも分かるとか。彼らの活躍のおかげで、マンゴーのミカンコミバエや中国からのモモシンクイガの侵入を食い止められたこともる。

 1匹の検疫犬を訓練する費用は40万~50万台湾元(約140万~175万円)。9月からは新たに現在訓練中の4匹が任務に就く予定だが、検疫犬の不足は依然深刻だ。ところが政府は検疫犬を増やすための予算拡大を認めていない。このため学者からは、「政府はわずかな経費を惜しむことで、将来取り返しのつかない農業の損失を招くだろう」という批判も出ている。