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作成日:2008年7月10日_記事番号:T00008723
遠東航空の財産保全解除、台北地裁が判断へ
経営破たんした遠東航空(ファーイースタン・エア・トランスポート)の債権銀行が同社に対する財産保全処分の解除を求めた即時抗告をめぐり、台北地裁は来月までに解除の可否を判断する見通しだ。10日付工商時報が伝えた。
処分解除を求めているのは、債権銀行の一角を占める大衆銀行。融資の担保となっている航空機の競売を進めたい同行は、競売実施の障害となっている財産保全処分の延長が5月20日に認められたことを不服として即時抗告していた。
一方、遠東航空は5月26日に裁判所に再建計画を却下されたことを不服として即時抗告している。
台北地裁は9日、申し立てに対する第2回審理を行ったが、結論は見送り、双方の抗告案件について同時に判断を下す方針を示した。台北地裁は財産保全処分が期限を迎える8月20日までに決定を下すとみられる。
一方、台北地裁は遠東航空労組が6月17日に提出した再建計画に対する裁定を14日に下す。労組側は管財人の派遣を受けて、出資者を募る方向で経営再建を図りたい構えだが、同社と債権銀行の遠東国際商業銀行が提出した再建計画がいずれも却下されているだけに予断を許さない。
労組側は再建計画が却下された場合、同時に破産宣告を受ける可能性もあるとみて緊張感を強めている。