ニュース 社会 作成日:2019年12月4日_記事番号:T00087241
台湾には違法な日貸しの民泊が2万室以上あり、毎年延べ1,000万人以上が利用しているとされる。安さや手軽さを売りに、主要なインターネット予約プラットフォームに堂々と掲載されており、合法業者の事業を圧迫している。一般の住宅街でもひそかに営業され、犯罪の温床となることもある他、衛生面や安全面での懸念も指摘される。
蘋果日報の記者は10月、ある予約サイトで一般客を装って違法民泊の宿泊を予約した。料金は1泊1,335台湾元(約4,800円)。業者は地方政府による摘発を免れるためさまざまな防衛策を採っていた。
予約日に記者が訪れると、そこは業者が別の場所に設置した受け付けカウンターだった。宿泊手続き後、従業員に約100メートル離れた実際の宿泊場所に案内された。宿泊場所をネット上で公表しないことで、摘発を免れる手法だ。
従業員は部屋に記者を案内すると、簡単に設備の紹介をした後、鍵を渡して去って行った。賃貸契約書には1泊だけなのに、12月31日までの日付が記載されていた。うその日付を記入することで、合法の賃貸契約を装う手法だ。
部屋はわずか4坪ほど。浴室のカーテンは壊れており、家具や壁は染みだらけ。夜は隣室の別の宿泊客がうるさく、よく眠れなかった。フロアは迷路のようで非常口が見つけづらく、万が一火災が起きたら逃げ遅れる危険を感じさせた。エレベーターには売春やドラッグ使用を注意する張り紙もあるが、ビル1階の管理人は人の出入りをチェックするそぶりを全く見せない。
別の業者は、コンビニエンスストアとの連携で、台北市の違法民泊の集中する複数の箇所に暗証番号付きのスマート鍵ボックスを設置。宿泊客は24時間いつでも自ら鍵を受け取り、返却することができ、業者は客を装う政府の調査員と接触するリスクを避けられる。暗証番号は電子メールやショートメッセージサービス(SMS)で送られるため、店員の関与も必要ない。
こうした違法民泊は、新聞紙面を飾る事件の舞台となることも少なくなく、西門町(台北市)のある物件では、ここ数年にドラッグ、売春、火災など5件の事件が発生。台北市政府観光伝播局の知ることとなり、過去最高水準の173万元の罰金を科された。観光伝播局の担当者からは、業者間で摘発を免れる手法が共有されており、スマート鍵ボックスのような新たな手法が出ると調査が困難化するとため息が漏れた。
違法宿泊の安さは、結果的に高い代償をもたらす可能性がある。自らの安全を守るため、そして静かに暮らす付近の住民に迷惑を掛けないため、泊まる際には合法宿泊施設を選びたい。
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