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TSMC3ナノQ1着工、21年稼働へ


ニュース 電子 作成日:2019年12月6日_記事番号:T00087274

TSMC3ナノQ1着工、21年稼働へ

 ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は5日、来年第1四半期に新竹科学工業園区(竹科)宝山用地(新竹県宝山郷)で3ナノメートル製造プロセスの研究開発(R&D)センターに着工すると明らかにした。2021年の稼働、22年の生産開始を目指す。来年の設備投資額は、過去最高となった前年の140億~150億米ドル水準を維持する。同社営運・晶円廠営運資深副総経理の王建光氏は、同センターは今後20~30年間、3ナノ以降の先進製造プロセスなどの技術、材料開発拠点になると期待感を語った。6日付工商時報などが報じた。

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 同センターの敷地面積は32.7ヘクタール。研究開発人員8,000人の勤務を想定する。

5ナノ、来年上半期量産

 TSMCは来年上半期、南部科学工業園区(南科)Fab18で試験生産中の5ナノ製造プロセスが量産入りする予定だ。王氏は、Fab18は1~2期の設備搬入中で、予定に間に合うとの見通しを示した。▽アップルの次世代プロセッサー▽クアルコムの次世代スマートフォン向けチップ▽アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の中央演算処理装置(CPU)▽中国・華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)傘下の海思半導体(ハイシリコン)のスマホと携帯電話基地局向けチップ──などの生産を手掛ける見通しだ。

 同社はFab18の3期で計画する5ナノ強化版について、来年半ばの設備搬入、来年第4四半期の量産を計画している。また、Fab18の4~6期計画では、3ナノ導入が視野にあるようだ。

 王氏はまた、引き続き中部科学工業園区(中科)Fab15での7ナノ生産能力を拡大すると表明した。▽第5世代移動通信(5G)▽人工知能(AI)▽高性能計算(HPC)──向けなどの需要が来年に向けてさらに高まり、▽アップル▽クアルコム▽ファーウェイ▽AMD▽聯発科技(メディアテック)──の五大顧客向けで供給逼迫(ひっぱく)となっていることが設備投資額が膨らむ要因だ。

/date/2019/12/06/00top_2.jpg同日開催したサプライチェーン・マネジメント・フォーラムには、700社が参加し、台湾特品化学(台特化、TSC)など14社が表彰を受けた(5日=中央社)

クアルコム新SoCを受注

 クアルコムは、第5世代移動通信(5G)対応のスマホ用システム・オン・チップ(SoC)新旗艦製品「スナップドラゴン865」は、TSMCが7ナノで受託生産すると明らかにした。従来、TSMCは外付けモデムチップの「X55」の受託にとどまるとみられていた。同時発表の新製品「スナップドラゴン765」は、サムスン電子が7ナノで引き続き受託する。TSMCは、クアルコムのスマホ向けSoC生産に復帰することになる。

 クアルコムは、供給の量と多様性の確保のためと説明した。今回は極端紫外線(EUV)リソグラフィー技術導入の7ナノ強化版(7ナノプラス)や5ナノは採用しなかったが、将来、新プロセスを採用する可能性は排除しないと説明した。

 サムスンの7ナノでは一時、クアルコム向け生産での歩留まり率低下が伝えられていた。クアルコムは安定供給のため、リスク分散を図った可能性がある。

【表】