ニュース 電子 作成日:2019年12月9日_記事番号:T00087296
9日付経済日報によると、ファウンドリー世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は、ソニーから初めてハイエンドの相補性金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサー(CIS)を受注したもようだ。第5世代移動通信(5G)時代には各種製品で高性能のCIS搭載が増え、世界最大手のソニーは生産能力が不足すると予想される。事実とすれば、後工程のパッケージング・テスティング(封止・検査)などを含め、台湾がCISの世界の重要生産拠点となることが期待される。
観測によると、TSMCがソニーからCISを受注するのは初めてで、南部科学工業園区(南科)Fab14Aの40ナノメートル製造プロセスで生産する見通しだ。来年第2四半期の設備搬入、8月の試験生産を予定しており、月産能力は当初2万枚と予想される。2021年第1四半期にも出荷量が拡大する見通しだ。両社は、将来の28ナノ以降での製造も見据えているとされる。TSMCは、顧客からの受注動向についてコメントしていない。
業界関係者によると、両社の協力はこれまでロジックICが中心だった。別の業界関係者は、ソニーは5G時代にハイエンドのCIS需要が急増するとみているが、自社の生産能力には限りがあるため、TSMCの支援の下、韓国のサムスン電子や、米大手のオムニビジョン・テクノロジーズなどの競合に対抗するとの見方を示した。
証券会社は、TSMCは、シェア拡大を進めるオムニビジョンからの受注経験が豊富で、歩留まり率も良いと分析。CISは、外部環境検知のための各種装置への搭載が進む重要部品と指摘した。
CIS、8年連続成長へ
CISは近頃、ロー~ハイエンドまでの全てで供給が逼迫(ひっぱく)している。市場調査会社によると、スマートフォン向けの搭載増加を受け、CISの今年の世界販売額は155億米ドル、出荷量は61億個と、共に過去最高を更新する見通しで、過去8年連続での成長となるようだ。5Gと人工知能(AI)の普及で、CISの利用は▽車載▽交通▽スマートホーム▽スマートファクトリー▽医療▽教育▽娯楽──などでも急速拡大が期待されている。
TSMCのソニーからの受注やオムニビジョンの増産で、CISパッケージング(封止)の采鈺科技(ビスエラ・テクノロジーズ)、同欣電子工業などが恩恵を受けそうだ。
24年に2ナノ=JPモルガン
一方、JPモルガン・チェースはこのほど、TSMCは24年にも2ナノ製造プロセスで量産入りするとのレポートを公表した。同業に先駆けての量産入りとなる見通しで、米アップルや中国の華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)などからの受注総なめが期待できる。
TSMCは現在、5ナノで試験生産を進めており、来年上半期に量産入りする見通しだ。3ナノは22年の量産を予定する。
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