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11月輸出総額、プラス転換


ニュース その他分野 作成日:2019年12月10日_記事番号:T00087318

11月輸出総額、プラス転換

 財政部統計処が9日発表した11月の輸出総額は285億8,000万米ドルで、前月比1.4%減、前年同月比3.3%増と、3カ月ぶりにプラス成長に転じた。11月としては過去2番目の高水準だった。統計処関係者は、「既にトンネルを抜けた」と表現し、米中貿易戦争を受けてのUターン投資などが来年の輸出の成長エンジンになると期待感を示した。10日付経済日報などが報じた。

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半導体設備輸入、2.6倍

 蔡美娜統計処長は、▽米中貿易戦争を受け、台湾への発注シフトが増え、メーカーが台湾での生産を増やしていること▽米国が12月15日に予定する新たな対中追加関税発動や春節(旧正月、2020年は1月25日)を前に、中国メーカーが調達を増やしていること▽第5世代移動通信(5G)、モノのインターネット(IoT)などの新技術で需要が増えていること──を理由に挙げた。

 一方、11月の輸入総額は243億米ドルで、前月比2.9%減、前年同月比5.8%増だった。うち生産設備は、前年同月比66.3%増の49億米ドルで、過去9年で最大の伸び幅、かつ過去2番目の高水準だった。半導体設備は24億米ドルで、前年同月比2.6倍と大幅に成長した。蔡統計処長は、半導体設備の輸入額は3カ月連続で大幅に増加しており、今後の3C(コンピューター、通信、家電)商機が見込めることを反映していると語った。

iPhone11が貢献

 主要製品別の11月輸出額は、電子部品が前年同月比10.1%増の105億9,000万米ドルで、今年10月に次ぐ過去2番目の高水準だった。うち半導体は12.9%増えた。アップルのスマートフォンiPhone11シリーズ販売好調や、5G対応スマホ人気で、電子部品の出荷が増えているためだ。

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 情報通信・オーディオ製品は前年同月比22.7%増の40億2,000万米ドルで、過去最高だった。蔡統計処長は、大手ノートパソコンメーカーが台湾生産比率を高めているためと指摘した。

 液晶パネルなど光学器材は9億9,000万米ドルで前年同月比8.6%増加した。うちレンズは28.4%増だった。

 従来型産業は、▽鉱産物、9億5,000万米ドル(前年同月比27.9%減)▽化学品、15億米ドル(12.2%減)▽ベースメタル、22億2,000万米ドル(6.5%減)──など。

中国向け、電子部品好調

 主要輸出先別の11月輸出額は、中国(香港含む)向けは123億5,000万米ドルで前年同月比8%増と、今年に入ってからでは8月以来のプラス成長で、輸出総額に占める割合は43.2%に拡大した。蔡統計処長は、電子部品の需要が強かったと指摘した。

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 この他、▽米国、40億5,000万米ドル(前年同月比16.9%増)▽日本、20億4,000万米ドル(5.2%増)──が好調だった。▽東南アジア諸国連合(ASEAN)、43億6,000万米ドル(10.8%減)▽欧州、22億2,000万米ドル(2.5%減)──は減少した。

 1~11月の輸出総額は2,998億5,000万米ドルで前年同期比1.9%減、輸入総額は2,588億6,000万米ドルで0.9%減だった。蔡統計処長は、12月の輸出総額は前年同月比1~2%増、通年の輸出総額は前年比1~2%減と予測した。

/date/2019/12/10/01export_2.jpg台湾企業だけでなく、外資の台湾投資も増えている(9日=中央社)

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