ニュース 運輸 作成日:2019年12月13日_記事番号:T00087409
業績不振による資金不足を理由に、前日突然の運航停止を発表した中堅航空会社の遠東航空(ファーイースタン航空)は、張綱維董事長が13日記者会見を開き、資金繰りにめどが立ったため事業を継続し、人員削減を行うことはないと強調した。また、社会に迷惑を掛け、従業員を不安に陥れたとして謝罪した。異例のドタバタ劇によって社会的信用が失墜した同社に対しては、厳しい処分も予想される。中央社電などが報じた。
松山空港で返金申請に詰め掛ける旅客に対応する遠東航空の従業員。無用な混乱を招いた同社経営陣の責任は重い(12日=中央社)
同社は12日、張董事長の「遺書」を公表。4人の詐欺グループにだまされ、9億台湾元(約32億6,000万円)の自己資金を注入しても不足が解消しないため「死をもって償う。死んでも死に切れない」とした内容だった。
しかし張董事長は会見で、遺書が公表されるや、新たな投資家から強い投資意欲の表明を受け、現在3組以上の投資家と事業継続に向けて交渉に入ったと説明した。遺書は、突発的な資金不足問題に陥り、あらゆる信用と約束を失った心情を吐露したもので、冗談で書いたわけではなかったと釈明。12日に連絡が取れない状態だったことについては「気分が悪かったので携帯電話を切っていた。まさか大混乱を招くとは思っていなかった」と述べた。
民航局、免許取り消しを上申
同社は▽新潟▽秋田▽福島──を含む日本線や台湾の離島線など15路線を運航しており、突然の運航停止でツアー客など3,400人以上が影響を受けたとみられる。
張董事長は、資金問題が解決すればすぐにでも運航を再開したいと表明したが、交通部民用航空局(民航局)は13日、300万元の罰金と航空運輸業の事業免許取り消し処分を交通部に上申したことを明らかにした。
問われる顧客無視の姿勢
遠東航空は、財務危機によって08年から約3年間の運航を停止し、今年も5月に突然一部の路線を予告なしに停止した「実績」がある。
台湾の航空業界では、2016年に復興航空(トランスアジア航空)が突然の解散・運航停止を発表しており、顧客無視の経営姿勢がたびたび問題視されてきた。
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