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「勝てばフライドチキン」、総統選で見えの場外乱闘


ニュース 社会 作成日:2019年12月13日_記事番号:T00087419

「勝てばフライドチキン」、総統選で見えの場外乱闘

 来年1月11日の総統選挙まで1カ月を切った中、国民党所属の謝龍介台南市議が、同党候補の韓国瑜高雄市長が現職の民進党候補、蔡英文総統に90万票以上の差を付けて勝たなければ、鶏排(フライドチキン)を2,700個、無料配布すると宣言したことが物議を醸している。

/date/2019/12/13/19chicken_2.jpg謝市議は12日にFB上で、福祉団体への寄付への切り替えについて、「フライドチキンを楽しみにしていた皆さんには謝る」と記した(謝市議FBより)

 韓候補の選挙対策本部で副執行長を務める謝市議は先ごろ、インターネットメディアの番組に出演し、韓候補が勝利し、かつ差が90万票に1票でも届かなければ自身の台南と台北の事務所などでフライドチキンを無料で配布すると発言した。

 これに対し蔡総統は「台湾の民主、選挙をフライドチキンで決めてはならない」と反応。さらに同候補を支持するネット上の著名人で総合格闘家の陳之漢氏、通称「館長」が自身のフェイスブック(FB)上に「蔡候補が勝てば1万個のフライドチキンをごちそうする」と応戦した。

 こうした場外乱闘に対し、内政部の陳宗彦次長は12日、「著名人や政治家がネット上で賭博的な選挙予想を展開するのは好ましくない」と指摘。ただ謝市議と館長の「フライドチキン配布宣言」が賭博に当たるか、また選挙に不当な影響を及ぼす違法行為かどうかについては、司法機関に判断を委ねると語った。

 一方、法務部の陳明堂次長は、今回の宣言が選挙を巡る贈収賄や賭博に当たるか、特定候補を当選または落選させるための選挙妨害に当たるかどうかは個別に判断が必要で、地方検察署に証拠の収集を強化するよう指示したとコメントした。

 こうした中、謝市議は12日、FB上に「フライドチキンの配布に贈収賄の懸念があるなら、政府に選挙の焦点をずらす余地を与えないよう配布する品を変更することを決めた」と発表。韓候補のリードが89万9,999票以下なら30万台湾元(約110万円)を社会的弱者を支援する福祉団体に寄付すると表明し、「韓国瑜が求めるのは『きれいな票』」だと強調した。

 ただ、問題となっているのは配布、寄付する物の内容ではなく、その行為自体なのだが。