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台湾人1万人の顔を融合、AI女性「戴怡宛」が誕生


ニュース 社会 作成日:2019年12月16日_記事番号:T00087445

台湾人1万人の顔を融合、AI女性「戴怡宛」が誕生

 台湾の若い技術者が、人工知能(AI)技術を使って台湾市民1万人の顔を融合し、1人の女性を創造した。彼女をインターネット上で多くの国や地域の市民と交流させ、台湾の認知度を高めることを目指している。

/date/2019/12/16/18dai_2.jpg戴怡宛のフォロワーは16日午後3時時点で1,170人。開発チームは、友人としても仕事仲間としても価値ある存在と知ってほしいと願っている(戴怡宛FBより)

 このAIキャラクターを誕生させたのは世界最大級の広告賞とされる「カンヌライオンズ国際クリエーティビティ・フェスティバル」の青年部門に台湾代表として出場した平均年齢28歳の男女4人から成るチーム「双城街」だ。

 4人は、台湾は環境保護、健康医療、社会福祉、教育、開かれた政府といった側面で国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)に呼応した数々の成果を挙げているにもかかわらず、こうした事実は世界に知られていないと指摘。そこで、世界をより良くするために台湾が貢献できるとアピールすることを目的に、今回の企画を発案した。

 「双城街」のリーダー、劉昱伶さんは、台湾は両岸(中台)関係が理由で他の国と堂々と交流することができず、正式な国家として承認されていないが、「国家」がだめなら「人」としてより多くの人に台湾を知ってもらおうと考えたと説明した。

 チームは「顔の平均値」を導き出すAI技術を活用し、台湾市民1万人の顔を融合させた。なお、材料として一般公開された資料の中から正面を向いた顔写真を集めて使用したため、蔡英文総統や韓国瑜高雄市長を含む政治家が比較的多く採用されることになったそうだ。

 こうして誕生した女性キャラクターには「台湾」と音が近い「戴怡宛(Dai Yi Wan)」という名前が付けられた。2006年から09年にかけて台湾大学政治学系の二つの学科を卒業したという学歴を備え、これまで男女平等に関する意識向上を促進する運動に参加したり、気候変動の専門家育成や行政資料を公開するオープンプラットフォームの構築プロジェクトに関わった経歴も持っているという設定だ。

 既にフェイスブック(FB)やビジネス向けソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のLinkedIn(リンクトイン)に自身のページを開設済みで、最終的には彼女を国際組織に就職させ、「戴怡宛(台湾)が力を貸せる」ことを証明することが目標だ。