ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

百貨店の周年慶、半数が目標未達


ニュース 商業・サービス 作成日:2019年12月17日_記事番号:T00087446

百貨店の周年慶、半数が目標未達

 終盤が近づく百貨店業界の周年慶(創業祭)セールで、大手の新光三越百貨、遠東百貨(ファーイースタン・デパートメント・ストアズ)、遠東そごうは、約半数の店舗で売上高が目標に届かない見通しだ。最大の目玉商品である化粧品が、正規の代理店を経由しない並行輸入品の減少で、特価商品をそろえられず影響を受けた。一方で、台商(海外で事業展開する台湾系企業)のUターン投資増加で経営者や家族が台湾に戻ってきていることから、大型店のブランド品販売は好調だった。17日付工商時報が報じた。

/date/2019/12/17/1top_2.jpg

 新光三越はセール期間中の売上高目標を前年比1%増の204億台湾元(約742億円)に設定していたが、14日時点の売上高は190億元余りで、最終日の22日までに目標額に届かない可能性がある。ブランド品、家電製品、飲食店がけん引し、大型店の▽台北信義新天地A8、A4▽台中中港店▽嘉義垂楊店▽台南新天地──は目標額を達成した。高雄左営店も達成する見通しだ。新光三越は、来年1月に総統選挙を控えており、前回の4年前と同様、消費者の購買意欲は旺盛とはいえないと指摘した。

 遠東百貨のセール期間は23日までで、現時点の売上高は前年比0.3%増と横ばいだ。店舗別では、板橋大遠百(メガシティー)と台中大遠百(トップシティー)は3.5%以上成長したが、新竹大遠百、桃園遠百、高雄大遠百は0.1~0.5%増にとどまった。服飾品の不振で、小型店の販売はさらに苦しくなっているようだ。

 遠東そごうのセール期間中の売上高は106億元と前年から横ばいで、目標の108億元に到達しなかった。ただ、ブランド品の売れ行き好調によって、台北復興館と新竹店はプラス成長だった。

 汪郭鼎松・遠東そごう総経理は、百貨店業界が今年力を入れていたアプリやモバイル決済の活用による優待は、インターネット通信販売サイトの独身の日(光棍節、11月11日)セールによる複数の割引・優待に押されて効果を生まなかったと指摘した。

並行輸入品減少で打撃

 これら大手の目標未達の主因は、目玉商品である化粧品最大手ブランドの特価商品向けの並行輸入品を仕入れられなかったことだ。例年は周年慶セール向けに数百万、数千万元規模で買い付けるが、今年は中国・香港、韓国で内需減退によって並行輸入品の引き合いが増え、品薄となっていた。

 同ブランドは周年慶セールで化粧品売上高の35%以上を占める。並行輸入品の減少によるセール期間中の売上高への打撃は、1社当たり3億5,000万~3億8,000万元に及ぶとみられる。通年の化粧品売上高を少なくとも5%押し下げる計算だ。

微風・台北101、2桁成長

 一方、微風広場(ブリーズセンター)は前年比21%増の45億元で、目標額の41億8,000万元を上回った。新店舗の微風南山(ブリーズ南山)が今年から加わった他、ブランド品、宝飾品、香水、飲食店が貢献した。台北市の超高層ビル「台北101」内のショッピングモール、台北101購物中心(台北101モール)は前年比10%の増収となった。売上高の6割をブランド品が占めた。

【表】