ニュース 建設 作成日:2019年12月18日_記事番号:T00087472
桃園機場捷運(桃園空港MRT=都市交通システム)台北駅上層部での高層ツインビル開発計画「双子星大楼」で、台湾の藍天電脳(クレボ)と宏匯集団のコンソーシアムによる事業会社、台北双星は17日、台北市政府との正式契約に調印した。計画から14年、6度目の入札で香港系陣営が選定されたものの、中国の影響懸念から投資を阻止されるなど紆余(うよ)曲折を経て、ようやく着工に向けて動き出す。開業は2027年の予定だ。18日付経済日報などが報じた。
C1ビル(中右)、D1ビル(中左)、北門(左前)、旧鉄道部(左)、台鉄台北駅(右)。許董事長は、双子星大楼を台北の栄光、台湾の誇りとすると意気込みを示した(台北市政府リリースより)
台北双星は、高さ280メートル(56階建て)のC1ビルと360メートル(76階建て)のD1ビルを、▽オフィス▽ホテル▽商業施設──などが入居する複合商業ビルとして建設する。総投資額は606億台湾元(約2,200億円)、開発面積は約16万6,000坪。許崑泰同社董事長は、商業施設の比率を従来計画の23.48%から、4割以内まで高めるとの方針を示した。
許董事長はまた、資金のうち約180億元はクレボと宏匯集団による折半出資の自己資金で、150億元は政府の委託建設基金、約270億元は協調融資(シンジケートローン)で賄うと説明した。既に16行が参加意向を示している。
藍天・宏匯陣営は、香港系デベロッパー、南海控股のコンソーシアムが除外されたことを受けて、繰り上がりで最適申請資格者となっていた。
経済効果、年間1千億元
台北市政府捷運工程局(捷運局)は、同市の推進する「西区門戸」計画の軸となる開発案で、年間1,000億元以上の経済効果をもたらすと指摘した。1万6,000件の雇用機会創出を見込む。柯文哲市長は、双子星大楼を含む台北駅特定専用区は1日当たり平均50万人の出入りがあり、今後、後站(駅裏)商圏との一体開発で、人の流れの転換、古くからの市街地の再生を目指すと説明した。
捷運局は、▽設計▽都市計画審議▽環境影響評価(環境アセスメント)▽文化資産審議▽建築許可申請──などに
1年半を要するため、着工は21年半ばになるとの見通しを示した。施工期間は6年9カ月を予定する。許董事長は、工期の5年への短縮を目指すと説明した。
香港系陣営、損害賠償請求へ
昨年12月に6度目の入札で最適申請資格者に選ばれていた南海控股陣営は、経済部投資審議委員会(投審会)による審査で事業会社設立が認められず、台北市政府との契約締結の手段が失われた。南海陣営は、最適申請資格の確保を求める訴願への回答は得られていないが、台北市政府に損害賠償を求める方針に変わりはないと説明した。
公共交通主体開発の模範に
林佳龍交通部長は、交通部台湾鉄路管理局(台鉄局)や鉄道局が最大の地権所有者と指摘。こうした公共交通指向型開発(TOD)による分配利益を活用し、台湾全土の鉄道路線の周辺整備を促進していくとの考えを示した。▽台北郵局(郵便局)▽旧台湾総督府鉄道部▽台北駅特定専用区E1、E2区画──の開発案件も、引き続き台北市政府への委託などで推進していく。
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