ニュース 電子 作成日:2019年12月26日_記事番号:T00087619
スマートフォン用光学レンズ世界最大手、大立光電(ラーガン・プレシジョン)は、海外子会社の剰余金配当3億6,500万米ドルを全額台湾に送金し、台湾での工場建設と設備購入に充てる。来年の第5世代移動通信(5G)商用サービス本格化に伴い、7枚(7P)~8枚(8P)構成のレンズや、ブラックレンズなど高規格・高価格製品向けを中心に生産ラインを拡充するとみられる。26日付工商時報などが報じた。
来年はミドルエンドのスマホでもトリプルカメラ以上の採用が拡大し、ハイエンドレンズの需給は逼迫(ひっぱく)する見通しだ。林恩平同社執行長は先日、同社は依然フル稼働状態で、2017年第4四半期に稼働した新工場も年内には空きスペースがなくなると指摘していた。保有する土地3カ所に工場を新設した場合、稼働は4年後の23年にずれ込むため、他の工場の賃貸も視野に入れている。
ラーガンは近年、自己資金によって台中市での生産拡大や土地取得を進めており、海外から台湾への送金は過去10年で初のケースになるとされる。今年第3四半期末時点の同社の現金と現金同等物は850億台湾元(約3,100億円)で、同社の生産拡大の原動力となってきた。
iPhoneSE2向けに準備
同業の玉晶光電(ジニアス・エレクトロニック・オプティカル、GSEO)は、来年第1四半期に中国・アモイで2基目の工場(敷地面積3,000坪以上)を稼働させる。外電は、ジニアスはアップルが来年第1四半期にも発売する廉価版スマホ新機種「iPhoneSE2」向けの生産準備を急いでおり、カンタツの生産の遅れから、ジニアスの受注割合は拡大するとの見通しを示した。
中国最大手の舜宇光学科技集団(サニー・オプティカル・テクノロジー・グループ)も、来年3割以上の生産拡大を検討している。
着実に進む資金還流
なお、今回の送金は8月に施行された台商(海外で事業展開する台湾系企業)のUターン投資を税制面で優遇する「境外資金匯回管理運用・課税条例」(海外資金送金特別法)の適用を申請するとされ、累計申請額の2割以上を占める最大の送金案件となる見通しだ。年内の適用申請額は累計500億元を超えるとみられ、台湾への資金還流が着実に進みつつある。
証券会社は、同法の適用を受ければ、施行1年目に8%、2年目に10%の優遇税率が適用され、送金した資金を実質的な投資に充てた場合、半額還付で1年目の実効税率は4%に低下すると指摘した。
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