1日付経済日報によると、自動車大手の裕隆グループは、自社ブランドによる5種類の新型車を年末に発表する。傘下の華創車電技術中心公司が100億台湾元を投資して開発を進めているもので、中国市場での商機開拓を狙う。
自社ブランド5種類のうち、3種類はすでに完成しており、それぞれ、MPV(多目的車)、SUV(スポーツ多目的車)、中型セダンだ。残りの2種類はコンセプトカーとされる。全て年末の台北国際自動車展で発表され、来年から裕隆汽車の生産により台湾で販売される。2009年に提携先である東風集団のブランドで中国で販売する意向だ。
台湾の自動車市場はここ2年不振が続いており、裕隆は中国市場の開拓を通じて国際ブランドになる構想を描いているもようで、経済日報は「同グループ創業以来の大きな賭け」と報じている。中国は10年の段階で年間1,000万台の販売が見込まれる魅力的な市場だ。
華創車電はまた、劉一震総経理と左自生副総経理が先月、グループのエンジンメーカー、華擎機械の董事長および総経理に就任した。自社ブランド車は華擎のエンジンを使う意向で、華創車電と華擎は今後人材および研究開発(R&D)のリソースの統合を進める計画。将来は合併の可能性もあるとしている。
なお、裕隆は1986年に台湾自動車業界初のブランド車「飛羚」を発売したが、性能/燃費の点で日本車に見劣りしたため、その後日産や三菱自工との提携による日本ブランド生産に切り替えた経緯がある。