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作成日:2008年7月14日_記事番号:T00008780
白色テロの713澎湖事件、記念公園建設へ
「713澎湖事件」は、国共内戦に敗れた国民党政府が中国から台湾に逃れて来た後に起きた、初の大規模な白色テロ事件だ。山東省から来た学生200人が冤罪(えんざい)で殺され、「外省人の228事件」とも呼ばれる。
1949年、中国山東省から約8,000人の教師と学生が澎湖へ逃れ、山東流亡学生聯合総校を設立した。国共内戦で兵士が激減していた澎湖防衛部は、これらの学生を同部のグラウンドに集め、強制的に徴兵し歩兵団に編入しようとした。
しかし、当時は「18歳以上の男子学生は青年軍を編成し、半日は軍事訓練、半日は授業を受ける。18歳未満は一律に澎湖防衛部の子弟学校に学ぶ」という規定があったことから、張敏之校長が猛反発。激怒した軍部はその場で学生に発砲し虐殺した。麻袋に入れられ、海中に投げ込まれた学生も多く、行方不明者は200人を超える。
張校長はスパイ容疑をかけられ、分校長と5人の学生とともに、同年12月に台北で銃殺刑に処された。
当時20歳だった王人栄氏は、事件当時は国民党中央執行委員会調査統計局(中統局、法務部調査局の前身)秘密特務という特殊な職位だった。にもかかわらず投獄され、他の多くの学生同様、獄中で拷問にあったという。
事件後、被害者とその家族が冤罪を雪ぐ機会を得たのは1998年になってからのことだ。今年7月13日には追悼会が行われたほか、事件を記念する公園が建設されることになった。場所は馬公市海事水産学校近くの596平方メートルの用地で、建設費用は750万台湾元(約2,600万円)。10月末に完成が予定されている。