蔡氏再選で米台関係深化、FTA締結に期待感


ニュース 政治 作成日:2020年1月13日

蔡氏再選で米台関係深化、FTA締結に期待感

記事番号:T00087837

 再選を果たした蔡英文総統は12日、米国の対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)台北事務所のブレント・クリステンセン所長と会見し、「米台は2者間のパートナー関係から国際的なパートナー関係へと深化した」と語った。米台関係の進展に対する自信の表れで、2期目でさらなる関係強化が見込まれる中、台湾が米国との自由貿易協定(FTA)締結を図り、それを足掛かりに多国間協定に加入することへの期待感が高まっている。13日付蘋果日報などが報じた。

/date/2020/01/13/00ait_2.jpg蔡総統(右)はクリステンセン所長(左)に対し、「台湾は国際社会に欠かすことのできないパートナーで、米国と共に世界にさらに大きく貢献できると信じている」と語った(12日=中央社)

 蔡総統は会見で「台湾人民は今回の選挙で全世界に向け、改めて民主主義と自由こそが台湾で最も貴重なものであることを示した。これこそが台湾と米国の長期的な関係の礎である」と強調。これまでの任期で、こうした共通の価値観や安全保障、経済面で関係強化を図ってきたと説明した。

 米中関係が悪化する反面、米下院は昨年5月、台湾への武器供与の常態化などを求めた「2019年台湾保証法案」を可決。F16V戦闘機、M1A2T式戦車など新型軍備の供給に向けた動きが進んでいる。トランプ米大統領が12月に署名した20会計年度の国防予算の大枠を定めた国防権限法(NDAA)案には、米台による安保協力関係の強化などが盛り込まれた。

 蔡総統はまた、今後も関係強化に努め、台湾の軍事力増強を引き続き図り、米台間の産業サプライチェーンの整備を行うとし、国際的なパートナーへとして米国と共に国際的な課題へ取り組んでいくと述べた。

 蔡総統の側近は国際的なパートナーという表現について、グローバル・テロ対策フォーラム(GCTF)への参加をはじめとしたテロ対策と地域の安全保障問題や、情報セキュリティー、ハイテクサプライチェーンの形成などの国際的な課題に取り組んでいることを表すものと説明した。

食肉輸入問題解決が不可欠

 中華経済研究院(中経院、CIER)WTO・RTAセンターの李淳副執行長は、蔡政権は米台関係が近年で最も緊密になっていること、蔡総統が過去最多の817万票の強力な民意によって再選を果たしたことを土台に、米国とFTA締結交渉を進めるべきと提言した。王健全・中経院副院長は、包括的および先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP、TPP11)や東アジア地域包括的経済連携(RCEP)は中国の妨害で参加が容易ではないが、米国とのFTAや経済協力協定の締結、欧州や東南アジア諸国連合(ASEAN)との関係強化を目指すべきと指摘した。

 ただ、FTA締結に向けては、台湾の米国産牛肉輸入の追加開放、豚肉輸入の開放が不可欠となりそうだ。台湾は長年、家畜への成長促進剤ラクトパミン(通称・痩肉精)の使用に対する忌避感情から、米国からの食肉輸入を制限してきた。識者は、米国の大統領選挙前でまだ時間的余裕はあるものの、蔡政権はいずれこの問題に取り組まなければならないと指摘。食品リスクの科学的な評価や、それを消費者に説明する必要があると説明した。