ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム 会社概要 採用情報 お問い合わせ

コンサルティング リサーチ セミナー 在台日本人にPR 経済ニュース 労務顧問会員

テレビパネル価格反転上昇、5月まで継続へ


ニュース 電子 作成日:2020年1月16日_記事番号:T00087911

テレビパネル価格反転上昇、5月まで継続へ

 市場調査会社によると、1月のテレビ用パネル価格は上昇に転じ、4~5月まで値上がりが続きそうだ。LGディスプレイ(LGD)の韓国内での液晶ディスプレイ(LCD)パネル生産終了発表に続き、サムスンディスプレイ(SDC)が年内に第7世代工場の残る1基を閉鎖すると伝えられており、需給が改善に向かう見通しだ。台湾大手の友達光電(AUO)と群創光電(イノラックス)は、パネル価格下落を受けた業績不振からの脱却が見込める。16日付工商時報などが報じた。

/date/2020/01/16/1panel_2.jpg

 市場調査会社、ウィッツビュー・テクノロジーの邱宇彬研究部副総経理は、1月の65インチ以下のテレビ用パネル価格は全面上昇し、上昇幅は約1~2米ドルと分析した。このうち、55インチは韓国パネルメーカーの減産を、65インチはこれまでの下落幅が大きいことを受け、上昇幅が2~3米ドルに達する可能性もあるとみている。

 邱研究部副総経理はまた、春節(旧正月、2020年は1月25日)連休後の液晶テレビ新機種向け調達、サッカーの欧州選手権(ユーロ2020、6~7月開催)と東京五輪(7~8月開催)に向けた在庫確保を受け、第1四半期のテレビ用パネル価格は調達コストを上回り、パネルメーカーの収益が大幅に改善すると予測した。

第8.5世代減産幅、2倍に拡大

 ウィッツビューによると、昨年第3四半期の第8.5世代工場での減産幅は面積ベースで約8%だったが、第4四半期には約16%に拡大した。中国の独身の日(光棍節、11月11日)セールや米国のブラックフライデー(感謝祭翌日の金曜日、19年は11月29日)セールが好調だったことも加わり、昨年11~12月には65インチ以下のテレビ用パネル価格は下げ止まった。

 市場観測によると、SDCは第7世代工場の残る1基(L7-2)での年内の生産終了を検討しているようだ。同社は16年に第7世代工場1基(L7-1)で、昨年第3四半期には第8.5世代工場1基でLCDパネル生産を終了していた。

 LGDは先ごろ、有機EL(OLED)パネルへの注力のため、年内に韓国でのテレビ用LCDパネルの生産を終了すると表明した。同社のLCDパネル生産は、中国・広東省広州市の第8.5世代工場を残すのみとなる。

イノラックス、3億ドル調達

 イノラックスは15日、海外で無担保転換社債(期間5年)3億米ドルを発行すると発表した。過去5年で初めてとなる。同社は運営資金と増加する設備投資需要に充てると説明した。同社は先ごろ、701億台湾元(約2,600億円)規模の台湾Uターン投資計画が経済部に承認されており、台南市に液晶テレビの自動化・一貫生産工場を設置する予定だ。

 台湾パネル大手2社の近年の設備投資額は、年間300億元水準だった。

【表】