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鴻海とFCA、EV開発・製造で合弁設立へ


ニュース 自動車・二輪車 作成日:2020年1月17日_記事番号:T00087934

鴻海とFCA、EV開発・製造で合弁設立へ

 鴻海精密工業は16日、欧米自動車大手のフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)と提携し、電気自動車(EV)の開発・製造を手掛ける合弁会社を設立すると発表した。当初は中国で製造・販売する計画で、その後海外への輸出も検討する。鴻海は今後、同合弁会社を通じて、EVの重要部品、ソフトウエアとハードウエアの統合などの分野での展開を加速していく。17日付経済日報が報じた。

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 合弁会社には鴻海グループとFCAが各50%出資する。鴻海本体の出資比率は40%を超えず、残り10%余りは傘下の自動車部品、車のインターネット(IoV)関連子会社が出資する。出資額など提携の詳細は、契約締結後に公表する。

 FCAは昨年10月、「プジョー」などを傘下に持つ仏グループPSAと経営統合することで基本合意しており、自動車販売台数で世界4位、売上高で3位となる見通しだ。この統合の過程で、他の外部企業との提携模索を図ったが頓挫し、鴻海が提携先として浮上したという。

 鴻海にとってFCAとの提携は、低収益産業の電子機器受託生産モデルからの脱却を目指す流れの一環だ。劉揚偉董事長は先日、EV重要部品、デジタル医療、ロボットの三大未来産業が成長の動力源となると説明していた。

 鴻海はFCAとの提携について、自動車産業がEVの発展など転換期を迎える中、同社の情報通信技術(ICT)分野での専門性を生かして同産業のグレードアップに貢献すると強調。鴻海にとっても事業モデルの転換への契機となると指摘した。

FIT・FIHが中核に

 業界では今回の提携で、鴻海傘下の鴻騰精密科技(FIT)が重要部品の製造で、富智康集団(FIHモバイル)がソフトウエアとハードウエアの統合サービスで重要な役目を果たすと予測されている。

 FIHモバイルは昨年6月に新会社、富智捷(モバイル・ドライブ・テクノロジー)を設立。第5世代移動通信(5G)環境下での車用電子機器の設計サービス需要に対応すると説明していた。

【表】