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19年リフォーム建築賞、穀物倉庫の再生作品に栄冠


ニュース 社会 作成日:2020年1月20日_記事番号:T00087982

19年リフォーム建築賞、穀物倉庫の再生作品に栄冠

 遠東集団(ファーイースタン・グループ)が昨年より実施していた既存の建築物をリフォームした建築作品のコンテスト「2019遠東建築奨・旧屋改造特別奨」の表彰式が19日台北市内で行われ、台東県の古い穀物倉庫を美術館に改造した「池上穀倉芸術館」が栄冠に輝いた。

/date/2020/01/20/19kakomi_2.jpg池上穀倉芸術館。傾きをつけた屋根など当地の農舎のつくりをそのまま残した(遠東建築奨フェイスブックより)

 旧屋改造特別奨は、建築作品の革新に加え、▽建築文化の伝承と活性化▽古い建物の再生▽台湾の環境の永続発展──への関心を集めることを目的として創設された。第1回のコンテストは2014年に開催され、今回で第3回を迎えた。

 コンテストへの参加資格は、台湾で開業する建築士または設計士で、作品は台湾域内にある築30年以上の建物を改造し、19年4月1日までに完成、既に利用されているものが審査の対象となった。

 今回大賞を受賞した池上穀倉芸術館は、米どころの台東県池上郷に1958年に建てられ、86年以降、30年以上にわたり使用されていなかった穀物倉庫を美術館に改造したもの。同地在住の作家、蒋勲氏(73)が発起人となり、持ち主の農家から無償で倉庫を譲り受け、元智大学芸術・設計系の陳冠華教授率いるチームが設計、施工を手掛けた。基本的な外観や屋根瓦、木の骨組みを残した上で、省エネを考慮し、自然光を取り入れ、空気を循環させるための天窓を配置した。

 この他、佳作には沈庭増氏が設計した「実践大学B棟の改築計画」(台北市中山区)が、審査員特別賞には頼人碩氏と呉建志氏が日本統治時代の帆布工場兼住宅を作業場に改造した「継光工務所・ワークステーションJK」が選ばれた。

 また今回のコンテストではインターネットを通じて人気投票が行われ、こちらは台南市仁徳区の観光施設「十鼓仁糖文創園区」内にあった元製糖工場を、太鼓を中心とする楽団、十鼓撃楽団用のステージになどに改造した「夢糖劇場・糖蜜三連缶」が8,471票を獲得して1位に輝いた。

 建築に興味があれば、古い建築物がその良さを生かしつつ新たに生まれ変わった姿を見に出掛けてみてはいかがだろう。