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デルタと英GKN、EV駆動装置開発で提携


ニュース 自動車・二輪車 作成日:2020年1月21日_記事番号:T00087990

デルタと英GKN、EV駆動装置開発で提携

 台達電子工業(デルタ・エレクトロニクス)は20日、自動車駆動システム世界最大手の英GKNオートモーティブとの提携を発表した。電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)向け駆動装置の次世代製品を共同で研究開発(R&D)し、3年以内にコンパクトカーからスポーツ用多目的車(SUV)まで多車種向けに対応させ、市場に投入する計画だ。両社は提携により、技術力の大幅向上と製品発売までの期間短縮を狙う。21日付経済日報などが報じた。

/date/2020/01/21/00delta_2.jpg張訓海デルタ営運長(右)は、GKNと3イン1電力駆動システムを開発することで、低炭素社会への転換促進に寄与していくと強調した(デルタリリースより)

 デルタはEV事業で、充電器や電力制御システム、DC/DCコンバーターなどを欧米大手向けに供給している他、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)には駆動モーターを直接供給している。2028年までに同事業売上高を30億~40億米ドルに引き上げる構えだ。一方のGKNは、フォルクスワーゲン(VW)、BMW、ボルボなどの大手に駆動システムを供給する業界最大手だ。

 両社は今回の提携で、モーター、インバーター、減速機(ギアボックス)を統合した3イン1電力駆動システムシリーズの次世代製品を共同で開発する。デルタのインバーター、GKNのモーターと減速機を統合することで、軽量化や組み立て工程の簡素化、品質の向上を図る。トルクは2,000~3,800ナノメートル、出力は80~155キロワット(kW)に対応する。スポーツカータイプのEVでも100kW程度であることから、幅広い受注が狙える。3イン1電力駆動システムは今後、EVやHVの大部分で採用が見込まれ、市場規模は30年までに120億ポンド(約1兆7,000億円)に拡大する見通しだ。

 今回の提携内容には、デルタが駆動モーターの半製品を生産、GKNが最終組み立てと検査を担い、自動車メーカーに納品することが盛り込まれた。投資額などの詳細は非公開。両社は合弁会社の設立も視野に入れているが、2年後以降になる予定だ。

台湾メーカー、EVに注力

 デルタ以外の台湾メーカーも、相次いでEV事業への展開を加速している。

 鴻海精密工業は16日、FCAとEVの開発・製造を手掛ける合弁会社を設立し、中国で製造・販売する計画を発表した。鴻海はEVの重要部品、ソフトウエアとハードウエアの統合などの分野へ注力していく方針だ。

 臻鼎科技控股(ZDT)はフレキシブルプリント基板(FPC)、貿聯控股(ビズリンク・ホールディング)はワイヤハーネスをそれぞれ米テスラに供給している。液晶パネル大手、友達光電(AUO)や群創光電(イノラックス)も、EV用車載モニター向けを強化している。