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《新型肺炎》新型肺炎、台湾初の感染確認


ニュース 社会 作成日:2020年1月22日_記事番号:T00088009

《新型肺炎》新型肺炎、台湾初の感染確認

 中国・湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎で、台湾初の感染者が21日確認された。武漢で教育に従事している南部在住の55歳女性で、世界初の中国籍以外の感染例となった。桃園国際空港で発熱などの症状を申告し、隔離治療を受けている。空港利用者が増える春節(旧正月、2020年は1月25日)連休を目前に、中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)は武漢への不要不急の渡航を控え、マスク着用や手洗いなどを徹底するよう呼び掛けた。22日付自由時報などが報じた。

/date/2020/01/22/00top1_2.jpg陳時中・衛生福利部長。03年の重症急性呼吸器症候群(SARS)まん延時の混乱再現を防ぎたいところだ(21日=中央社)

 衛生福利部疾病管制署(CDC)によると、感染が確認された女性は11日より発熱やせきの症状が出ていたが、現地では受診せずに市販薬を服用し、20日に桃園空港の検疫所に症状を申告し、21日に新型コロナウイルス感染が確認された。

 中央流行疫情指揮センターは、女性は搭乗中はマスクを着用し、現在は病院で隔離治療を受けており、市内には入っていないので安心するよう市民に呼び掛けた。同じ便の搭乗者46人には追跡調査を行っている。

 新型コロナウイルス感染は、日本、韓国、タイ、米国でも確認されており、中国の感染確認は440人で死者は9人に上っている。

旅行ツアー中止

 中央流行疫情指揮センターは同日、武漢の感染危険情報を「警告」に引き上げた。

 林佳龍交通部長は、武漢線を運航する中華航空(チャイナエアライン)と華信航空(マンダリン航空)に一時運休の検討を要請済みで、中国東方航空(チャイナ・イースタン・エアラインズ)、中国南方航空(チャイナ・サザン・エアラインズ)にも協力を呼び掛ける考えを示した。武漢線は4社で週12便が運航されている。

 雄獅旅行社(ライオン・トラベル・サービス)など旅行会社大手4社は、2月末までの湖北省行きの旅行ツアーを中止すると発表した。

企業は出張自粛

 大手ハイテクメーカーも感染対策を取っている。

 ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は、武漢などへの出張者に対し、マスクや消毒液などの予防セットを配布する。

 鴻海精密工業は、武漢から台湾に戻った従業員に異常は確認されなかったと説明した。

 広達電脳(クアンタ・コンピューター)、仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)、英業達(インベンテック)、緯創資通(ウィストロン)なども従業員に対し、出張時のマスク着用や体調管理を呼び掛けた。群創光電(イノラックス)や友達光電(AUO)は対策委員会を設立した。

外科用マスクで十分

 中央流行疫情指揮センターは、外科用マスクの捕集(ろ過)効率は80%以上、N95マスクは95%で、市民は外科用マスク着用で十分な上、マスク着用よりも手洗い励行が重要と説明した。林口長庚紀念医院内科部感染医学科の黄景泰主治医師も、外科用マスクで十分予防できると説明した。

/date/2020/01/22/00top2_2.jpg専門家は、手を洗う前に顔を触ったり、目をこすらないよう呼び掛けた(21日=中央社)

 蘇貞昌行政院長は、外科用マスクは4,400万個、N95マスクは193万個の備蓄があり、必要に応じて放出するので市民は買いだめないようにと呼び掛けた。

 なお、台北市内の多くの薬局ではN95マスクが既に売り切れとなっており、補充は春節明けとなる。