《新型肺炎》新型肺炎、液晶パネルなど台湾転注へ


ニュース 電子 作成日:2020年2月3日

《新型肺炎》新型肺炎、液晶パネルなど台湾転注へ

記事番号:T00088045

 中国・湖北省武漢市を中心とした肺炎などの症状が出る新型コロナウイルス感染拡大で、中国の多数地域では春節(旧正月)連休後の企業活動再開が10日以降に延期された。台湾には、テレビ用液晶パネルなどで転注や価格上昇の恩恵が見込まれる一方、スマートフォン関連では中国での生産停滞と販売減の影響を受けると予想される。中国でのサプライチェーンと物流の混乱は、米中貿易戦争で進んでいた台湾系企業の中国からの生産移転をさらに加速すると考えられる。3日付経済日報などが報じた。

/date/2020/02/03/00top_2.jpg北京市の商業施設では客足が遠のき、人通りもまばらだ(2日=中央社)

 テレビ用液晶パネル産業の一大生産拠点である広東省でも新型コロナウイルス感染が拡大しているため、液晶パネル台湾大手の友達光電(AUO)と群創光電(イノラックス)への転注が見込まれる。市場調査会社IHSマークイットは、中国のパネルメーカーの稼働率が15~20ポイント下落し、1月に上昇に転じたテレビ用パネル価格は、2~3月には月間3~5米ドル上昇、3~4月には生産コストを上回ると予測した。

 広東省には▽TCL華星光電技術(CSOT)の第8.5、第10世代工場各2基▽韓国・LGディスプレイ(LGD)の第8.5世代工場2基▽堺ディスプレイプロダクト(SDP)傘下の超視堺国際科技(堺SIOインターナショナル広州)第10.5世代工場──などのパネル工場計8基が、武漢市には▽京東方科技集団(BOEテクノロジーグループ)の第10.5世代工場1基▽CSOTの第6世代工場▽天馬微電子の第4.5、第6世代工場──などがある。

 一方、情報技術(IT)製品向けでは、台湾メーカーも悪影響を受けるとみられる。AUOは中国に第6世代低温ポリシリコン(LTPS)パネル工場、江蘇省蘇州、昆山、福建省アモイにモジュール工場を、イノラックスは広東省仏山、上海市、江蘇省南京、浙江省寧波などにモジュール工場を抱える。

偏光板やPCBに恩恵

 中国が世界生産能力の38%を占める液晶パネル用偏光板では、台湾最大手の誠美材料科技(CMMT)に顧客からの問い合わせが相次いでいる。同社はフル稼働状態のため、ハイエンド製品、長期顧客、支払い条件の良い顧客を優先している。同業の明基材料(BenQマテリアルズ)は、緊急受注が舞い込んでいると明かした。

 プリント基板(PCB)は、一大生産拠点の湖北省で交通規制が当面続く見通しだが、台湾メーカーの台湾とタイ工場からの供給で、3月まで供給に問題は生じない見通しだ。PCBの▽華通電脳(コンペック・マニュファクチャリング)▽欣興電子(ユニマイクロン・テクノロジー)▽燿華電子(ユニテック・プリンテッド・サーキット・ボード)、IC基板の▽景碩科技(キンサス・インターコネクト・テクノロジー)▽南亜電路板(NYPCB)──などは、ミドル~ハイエンド製品の生産を台湾で行っている。

スマホ出荷、2%押し下げ予測

 一方、スマホは中国での生産と販売に影響が出ると懸念され、市場調査会社のストラテジー・アナリティクスは、今年の世界出荷台数を2%押し下げると予測した。スマホ用チップの聯発科技(メディアテック)、ファウンドリーの台湾積体電路製造(TSMC)、カメラレンズの大立光電(ラーガン・プレシジョン)、組み立ての鴻海精密工業──などは受注減少が懸念される。

 米ウェッドブッシュ・セキュリティーズは、感染拡大が2月末まで長引けば、アップルのiPhone販売が100万台先送りになると予測した。アップルは、中国直営店を一時休店している。

 中国・広発証券は、中国メーカーの第1四半期出荷台数の減少幅を▽華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)、18%▽OPPO広東移動通信、19%▽維沃移動通信(vivo)、32%▽小米集団(シャオミ)、19%──と予測した。前年同期比でも10~20%減少する見通しだ。