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《新型肺炎》マスク不足が病院に波及、医療行為に支障も


ニュース 社会 作成日:2020年2月5日_記事番号:T00088128

《新型肺炎》マスク不足が病院に波及、医療行為に支障も

 新型コロナウイルス感染拡大による医療用マスク品薄を受け、病院や介護施設などの医療機関への供給にも影響が出ており、マスク不足が原因で手術が延期になるなど医療行為にも支障が生じているもようだ。

/date/2020/02/05/19mask_2.jpg雲林県の張麗善県長(中)は、マスクが手に入らない重症患者や発熱がある県民に、各衛生所で7日まで無料配布すると話した(3日=中央社)

 ある看護師によると、感染病が流行した際も医療機関におけるマスクなどの防護用品の使用に規制は設けられず、メーカーとの契約に従って供給を受けるという。

 2003年ごろの重症急性呼吸器症候群(SARS)流行時は、事態が最も深刻だった際にも、病院への影響は生じなかったが、今回の新型コロナウイルスでは、政府が全てのメーカーのマスクを管理するようになったことで、病院や介護施設への供給量も減少。多くの病院ではできるだけ使用を控えることで在庫品の減少を抑える対策を採っている。

 ある医師によると、通常、診察の際に患者がせきやくしゃみをすれば新しいものに交換し、看護師の場合も約4時間ごとに交換していたそうだが、現在では多くの医療機関で手術担当者や特殊な科を除き、1日に1枚の「配給制」を導入しており、医療関係者は、マスクが汚染されないようトイレを8時間我慢する、マスクにアルコールをスプレーすることで「延命」を図るといった苦肉の策を講じる者もあるという。

 ある医学センターではここ数日、予定されていた手術を相次いで延期している。患者には感染の恐れがあると説明しているが、実際にはマスクや防護服の不足が原因で、原則として緊急度の高いもの以外は延期しているそうだ。

 医療業界の他、バス業界もマスク不足に悩まされている。政府は公共交通機関の職員に対し、マスクの着用を義務付けているが、そもそもマスクが購入できず、中には1枚のマスクを15日間使い続けた運転手もいるという。

 こうした中、中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)は一般市民に対し、「現時点では、マスクがどうしても必要な者だけが着用すれば十分で、特に屋外では無駄に使用しないでほしい」と呼び掛けている。