ニュース 社会 作成日:2020年2月6日_記事番号:T00088149
オランダ統治時代の1624年に台南に建設された城堡「安平古堡(ゼーランディア城)」の東側にかつて存在したとされる台湾最古の町「大員市鎮」跡がこのほど、成功大学考古学研究所の発掘チームによって発見された。
成功大学考古学研究所は今後も発掘を続け、大員市鎮の全貌を解明したい考えだ(5日=中央社)
台湾最古の城跡、ゼーランディア城が2024年に築城400周年を迎えるのを控え、成功大学では18年より6年間の「ゼーランディア城400年」研究プロジェクトを始動させており、その中の一つが1630年代に誕生したとされる大員市鎮の発掘計画だ。
成功大学建築系の黄恩宇助理教授は、考古学研究所では、新たに発見されたゼーランディア城付近の土地に関する1643年の登記簿を基に、現代の資料やレーダー探査技術を活用して大員市鎮のおおよその輪郭を推定。その上で昨年末から発掘作業を開始、見事に現在の石門小学校(台南市安平区)北側に、大員市鎮北の境界に構築された壁や用水路、家屋の基礎などを掘り当てた。
今回、発見された壁は清朝時代のものとみられる大型のレンガで築かれた幅80センチメートルほどのもので、その内側と外側では明らかに土の色が異なっているという。これについて成功大学土木系の李徳河教授は、内側の土は陸地に属し、外側の土は海洋の堆積物で構成されていると分析した。
現在は陸地となっている台南の沿岸部にはかつて、大型の潟湖(ラグーン)「台江内海」が広がっており、成功大学考古学研究所の劉益昌所長は、この壁は当初、大員市鎮を海の侵食から守る防波堤として築かれ、オランダ時代から、明の遺臣・鄭成功が支配した時代、清朝時代まで連綿と修復が続けられたことが文献からも見て取れると指摘した。
5日に発掘現場を視察した黄偉哲台南市長に対し劉所長は、今回の発見は17世紀の大航海時代に東インド会社が残した重要な足跡を明らかにするもので、オランダなどを通じて国境をまたぐ世界文化遺産としての登録を国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)に申請すべきと訴えた。
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