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《新型肺炎》百貨店の客足、新型肺炎で2割減(トップニュース)


ニュース 商業・サービス 作成日:2020年2月7日_記事番号:T00088154

《新型肺炎》百貨店の客足、新型肺炎で2割減(トップニュース)

 百貨店・ショッピングセンター(SC)大手7社が加盟する中華民国百貨零售企業協会の詹武哲秘書長は6日、肺炎などの症状をもたらす新型コロナウイルス感染拡大を受け、春節(旧正月、2020年は1月25日)連休明けの客足が2割減少していると明らかにした。中国人の台湾入境やクルーズ船寄港の禁止、国際的な観光市場の縮小、イベントや見本市・展示会の延期、春酒(新年会)の取りやめなど、商業・サービス業の試練は続きそうだ。7日付経済日報などが報じた。

/date/2020/02/07/00top_2.jpg台北101の外壁のディスプレイには、第一線で防疫作業に当たる関係者への敬意が示された(5日=中央社)

 台北市信義区の超高層ビル「台北101」内のショッピングモール、台北101購物中心(台北101モール)は、2月に入って客足が2割減少しており、高級ブランドのイベントが中止になるなど影響が出ていると説明した。

 1月にグランドオープンした遠東百貨(ファーイースタン・デパートメント・ストアズ)の新店舗、遠百信義A13(信義区)の客足もやや鈍くなった。同社の林彰豊営運長は、台湾全11店の来店客は平均5~10%減少していると説明した。

 一方、遠東百貨の大型SC、板橋大遠百(メガシティー、新北市板橋区)は、台北都市交通システム(MRT)環状線第1期区間(西環段)の開通で、新北市中和区や新荘区からのアクセスが10分以内に向上したことで、客足が5~10%伸びた。

 遠東百貨の主管は、03年にかけ流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の際は、台湾全土の百貨業の売上高が5割減少したが、今回の新型コロナウイルスではSARSほどの影響はないと予測した。

 業界関係者は、中国での感染拡大で高級ブランドの新商品の販売やイベントが延期になるため、ブランドが新商品を台湾に振り分け、ラインアップが充実するとの見方を示した。

台北101、全館消毒

 各社はSARSで培った感染予防経験を生かしつつ、春節連休での台商(海外で事業展開する台湾系企業)関係者の帰台から約2週間たつ今週が感染拡大を防ぐ重要期に当たるとして、対策を強化している。詹秘書長は、出勤時の体温測定、販売員も含めた従業員のマスク着用、一部人員の手袋着用、閉店後の清掃・消毒を行っていると説明した。

 台北101は、1月31日に基隆港に寄港したクルーズ客船「ダイヤモンド・プリンセス」で乗客・乗員61人の新型コロナウイルス感染が確認されたことに関連し、乗客が台北101を訪れたかは不明だが、感染拡大を受け2月より毎週全館消毒を行っていると説明した。出入り口では消毒用アルコールの配備を続けている。

旅行業界の損失、1200億元

 旅行業界では、中台間双方の団体ツアー送り出し禁止に加え、感染への懸念から旅客機への搭乗を忌避する動きが広がり、▽ベトナム▽タイ▽ミャンマー──への団体ツアーでもキャンセルが出ている。業界団体の中華民国旅行商業同業公会全国聯合会(旅行業全聯会、TAAT)は、感染拡大が3月末まで続けば、業界に1,200億台湾元(約4,400億円)の損失が出ると予測した。内訳は▽台湾からの訪中団体ツアー、300億元▽台湾域内旅行、150億元▽インバウンド旅客の域内生産額、640億元──など。

 交通部は6日、1月末に日程繰り上げでの出境を求めた中国からの訪台団体ツアーと、2月末までの催行中止となった中台双方の団体ツアーによる業界の損失について、優先して補塡(ほてん)を行うため今週内に内部手続きを完了させ、2月末までの支給を目指すと説明した。