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《新型肺炎》台湾初の新型肺炎感染者、健康回復し退院へ


ニュース 社会 作成日:2020年2月7日_記事番号:T00088175

《新型肺炎》台湾初の新型肺炎感染者、健康回復し退院へ

 台湾では6日、中国・湖北省武漢市から感染が拡大した肺炎などの症状をもたらす新型コロナウイルスの感染者が新たに5人確認され、計16人となった。その一方で、台湾人として初めて同ウイルスへの感染が確認され、隔離治療を受けていた患者がこのほど健康を回復。退院することとなった。

 中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)の発表によると、今回、退院が可能になったのは台商(海外で事業展開する台湾系企業)関係者の女性(55)で、春節(旧正月)を台湾で過ごすため1月20日夜に武漢市から飛行機で帰郷したところ、発熱と咳(せき)などの症状があったことから空港の検疫担当者に自主的に申告。検査の結果、新型コロナウイルスへの感染が確認されたため、直ちに空港からヘリコプターで医療機関に移送され、そのまま隔離病棟での治療に入った。

 その後、17日間の隔離治療を受けた結果、女性の症状は回復に向かい、さらに3度の検査でいずれも陰性が確認され、エックス線検査の結果も良好だったことから専門医師が退院を認めた。

 退院が決まったことを受けてこの女性は、自分の治療に当たった医療関係者および感染防止のために尽力する衛生福利部疾病管制署(CDC)職員に感謝の言葉を記録した手紙と録音ファイルを送った。

 この録音ファイルは6日に開かれた疫情指揮センターの記者会見上で公表された。その中で女性は、台湾初の感染者となったことに「申し訳なく思う」と述べ、疫情指揮センターの指揮を執る陳時中・衛生福利部(衛福部)長が4日の記者会見で「感染者が増えたことはつらいが最大限サポートしていく」と涙ぐみながら発言する姿を見た際には「とても心に刺さった」と語った。

 一方で、早期に感染が確認され、十分な治療を受けたことで健康を回復できたことに対し、感染防止および治療の第一線で奮闘する関係者に何度も感謝の言葉を述べ、「台湾へ戻って本当に良かった」と語った。

 会見の場で女性の言葉を目を赤くしながら聞いた陳衛福部長は、彼女のように感染予防担当者の指示をよく聞き、医師、看護師の指示に従ってほしいと呼び掛けた。