《新型肺炎》受託大手の中国工場、従業員復帰2割以下か


ニュース 電子 作成日:2020年2月10日

《新型肺炎》受託大手の中国工場、従業員復帰2割以下か

記事番号:T00088179

 中国の各地では今日10日、新型コロナウイルス感染拡大を受けて延期されていた春節(旧正月、2020年は1月25日)連休後の企業活動が再開された。台湾の電子機器受託メーカーの中国工場の多くでも生産が再開されるが、通常70%とされる春節後の従業員の職場復帰率が20%に満たない恐れがある。地方政府が稼働再開に求める感染対策措置への対応などで、一部部品メーカーの稼働再開は25日となる見通しだ。部品や労働力の確保に不安が残る中での稼働再開となり、全面的な生産回復は2月末~3月末までずれ込む可能性がある。10日付経済日報などが報じた。

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 電子機器受託生産大手の英業達(インベンテック)は、10日に重慶工場と上海工場の稼働を再開すると表明した。同社はノートパソコン生産能力の7割が中国にある。第1四半期売上高は前期比15~20%減少するとの見通しを示した。

 同業の緯創資通(ウィストロン)は、地方政府の規定に従い10日以降に稼働を順次再開すると表明した。和碩聯合科技(ペガトロン)、広達電脳(クアンタ・コンピューター)も10日より順次、稼働を再開する。

 受動部品最大手、国巨(ヤゲオ)は、10日に蘇州工場(江蘇省)、東莞工場(広東省)の稼働を再開する。

コンパル昆山工場、17日再開か

 一方、電子機器受託大手の仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)は、昆山工場(江蘇省)の稼働再開を17日に遅らせたもようだ。昆山の多数の部品メーカーでは、稼働再開が25日に先送りになるようだ。コンパルやウィストロンは稼働再開後、部品在庫に頼ることになり、生産に影響が出る可能性がある。在庫は通常1~2週間とされる。

 ノートPCの世界的な主要生産拠点のある昆山市当局は稼働再開に際し、感染防止対策策定や、▽マスク▽体温計▽消毒液──などの感染対策物資の3日分以上の確保などを条件にしている。同市の台湾系企業関係者によると、稼働再開の5日前までの申請が必要。

 昆山市の台湾事務弁公室(台弁)によると、同市では100社以上の台商(台湾系企業)に操業再開の許可が出た。▽コンパル▽ウィストロン▽ペガトロン傘下の世碩電子▽液晶パネルの友達光電(AUO)▽石化の南亜塑膠工業(南亜プラスチックス、南亜プラ)──が含まれる。

 南京市、浙江省杭州市、寧波市、広東省深圳市なども、工場の稼働再開に条件を課している。多くの省・市では、外部から帰還した従業員に14日間の自宅隔離を義務付けている。

鴻海、マスクを自社生産

 深圳市当局は9日、鴻海科技集団(フォックスコン)の深圳工場の稼働再開申請を審査中と表明した。生産再開を認めないとの一部報道については、事実でないと否定した。

 傘下の富士康工業互聯網(フォックスコン・インダストリアル・インターネット、FII)は7日、感染防止対策のため、マスクを自社生産すると発表した。5日に試験生産を開始しており、2月末に日産能力200万枚を目指し、グループの約100万人の従業員向けに供給する。

死者、SARSを上回る

 中国の国家衛生健康委員会によると、9日時点で中国本土の感染確認者数は3万5,982人、死者は908人に上った。03年にかけ流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の世界全体の死者774人を上回った。

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