ニュース 商業・サービス 作成日:2020年2月12日_記事番号:T00088230
12日付工商時報によると、ショッピングセンター(SC)大手の微風(ブリーズ)グループが約3割の人員削減を行うようだ。同社は例年の人事調整と説明している。新型コロナウイルス感染拡大を受けた中国人訪台禁止などによる観光客減少で業績が落ち込んで以降、百貨店・SC業界の人員削減が明らかになるのは初のケースだ。
人員削減が3割とすれば、例年の平均1割を大幅に上回り、グループ従業員1,000人のうち、最大で200~300人が対象となる。廖鎮漢(ヘンリー・リャオ)董事長が10日に各部門に名簿提出を求めたようだ。
新型コロナウイルスの感染拡大で、百貨店・SC各店では客足が減少している。観光客の集中する台北市の信義計画区が深刻で、春節(旧正月、2020年は1月25日)連休期間中の客足と業績は2~6割落ち込んだ。ブリーズは近年出店を加速し、信義区に▽微風松高(ブリーズ松高)▽微風信義(ブリーズ信義)▽微風南山(ブリーズ南山)──の3店を構えている。
廖董事長は今年1月7日に開いた春節連休前の尾牙(忘年会)で、台湾全土10店の年間売上高目標として前年比1.6%増の310億台湾元(約1,140億円)を掲げていた。
拡大路線の転換
廖董事長は1月7日の段階で、小売・百貨業は毎年新規出店を続けることはできず、出店が成長を意味するとも限らないと指摘。今年は経営体質の改善が重要になるとして、ブリーズ経済圏(エコシステム)を構築するとの方針を示していた。
同社は13年以降、▽微風南京(ブリーズ南京、台北市松山区)▽微風松高▽微風信義▽微風南山▽桃園機場捷運(桃園空港MRT=都市交通システム)台北駅内の微風A1機場捷運站(ブリーズA1エアポートMRTステーション)▽台湾大学医学院附設医院(台大医院)内の微風台大医院商場(ブリーズNTUホスピタル、中正区)▽三軍総医院(三総)内湖院区内の微風三総商店街(ブリーズTSGホスピタル、内湖区)▽中央研究院(中研院)内の微風中研院(ブリーズ・アカデミア・シニカ、南港区)──と、台北市内で8店を出店した。今後、タイヤ大手の南港輪胎(ナンカン・ラバー・タイヤ)が南港区の同社旧工場跡地で開発を進める高級マンション・オフィスビル「世界明珠」への出店計画がある。
デジタル化を推進
ブリーズは、ここ3~4年のデジタル化推進で、専門人材登用を進めている。アプリ会員は50万人に達した他、昨年には自社のモバイル決済「Breeze Pay(ブリーズペイ)」を導入した。従来型人材を削減する一方で、ファッション関連のメディア分野などの事業での採用は増やすとの見方もある。
百貨店業界全体でも近年、レジ、カスタマーサービス、バックヤード管理のデジタル化が進む中、▽遠東百貨(ファーイースタン・デパートメント・ストアズ)▽遠東そごう▽新光三越百貨──がこれまで、業務転換のための早期退職募集や人員整理を行ってきた。このうち、新光三越のレジ担当者関連は昨年まで実施され、5~6年間で100人未満の規模だったとされる。
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