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《新型肺炎》夜市の客足半減、屋台も存続の危機


ニュース 社会 作成日:2020年2月15日_記事番号:T00088322

《新型肺炎》夜市の客足半減、屋台も存続の危機

 肺炎などの症状をもたらす新型コロナウイルスの感染が拡大する中、台湾各地の有名な夜市(ナイトマーケット)では客足が以前の半分に減ってしまったところもあり、「2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)流行時よりひどい」「政府は何とかしてほしい」といった悲鳴が上がっている。

/date/2020/02/15/19kakomi_2.jpg夜市では「人混みではマスクを着用し、衛生的な店を選んでいる」という声も聞かれた(中央社)

 台北市松山区の饒河街観光夜市に出店する屋台で、19年に「ミシュランガイド台北」の「ビブグルマン」(手ごろな値段で食事ができるお薦め店)に2年連続で選ばれた焼き肉まん「胡椒餅」の「福州世祖胡椒餅」は、以前は午後6時ごろには長い行列ができていたが、今は列ができることはほとんどないと明かした。同じく饒河夜市でスペアリブ漢方スープを販売する店主は、観光客が激減し、1日当たりの売上高が過去最低を更新し続けていると苦境を語った。

 中部最大の夜市、逢甲商圏(台中市西屯区)では、多くの販売業者から売上高が30~50%減少したとの声が聞かれた。逢甲夜市管理委員会の呉浚銘総幹事は、以前は1日当たり数百人の中国人観光客が来ていたが、今は10人にも満たないと話した。

 台南市最大の花園夜市では、客足が10~20%減少したようだ。

 高雄市の瑞豊夜市の露天商からは、客足が30~50%減ったとの嘆きが聞かれた。瑞豊夜市管理委員会の許新昌主任委員は、商売にならないので屋台を出さなかったり、早めに店じまいをしたりする露天商もあり、第2四半期までに屋台の1割がなくなってしまう可能性があると懸念を示した。

 高雄市の六合夜市では観光客が50%以上減ったようだ。同夜市で海鮮料理の店を40年余り営んできた業者は、開業以来最もひどい状況だとため息をもらした。

 一方、夜市を訪れた市民からは「中国人観光客がいなくなって前より安心できる」「中国人観光客が減ったので押し合いへし合いになることがなくなり、食べたい料理を食べられるようにもなった」と喜ぶ声もあった。