ニュース 社会 作成日:2020年2月17日_記事番号:T00088326
新型コロナウイルス感染による台湾初の死者が16日、発表された。中部居住の60代男性で、海外渡航歴や感染確認者との濃厚接触はなく、感染経路が特定されていない。男性はいわゆる白タクの運転手で、台商(海外で事業展開する台湾系企業)関係者など中国・香港・マカオからの帰台者を主な客としていた。台湾内で帰台者の家族以外から感染したとみられる初めての事例だ。感染者数の増加は先週いったん抑えられていただけに、「市中感染」への警戒感が再び高まっている。17日付聯合報などが報じた。
陳衛福部長(中)は当初、「市中感染」の可能性があると発言したが、その後、感染経路の調査が必要で、台湾の現状は「市中伝播」の定義にも当てはまらないと、市民に冷静な対応を呼び掛けた(16日=中央社)
中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)によると、亡くなった男性は、1月27日から咳(せき)の症状が出ており、2月3日に呼吸が激しくなり医療機関を受診、一般的な肺炎と診断されていた。陰圧の集中治療室で治療を受けていたが、15日に肺炎と敗血症の合併症により死亡した。B型肝炎と糖尿病の病歴があった。
亡くなった男性は海外渡航歴がないため当初、新型コロナウイルス感染検査の対象外だった。同センターが今月12日より、1月31日以降にインフルエンザと診断され重症化し、インフルエンザのウイルス検査が陰性反応だった患者に対する追加検査を実施し、新型コロナウイルス感染が判明した。亡くなった男性以外の112人は陰性だった。
亡くなった男性の弟である50代男性の感染も確認され、台湾の感染確認者数は20人となった。現段階で症状は出ておらず、隔離措置が取られている。
16日時点での台湾での疑い例の通報は累計1,834件で、内訳は感染確認20人、陰性1,746人。残りは検査中で、うち40人は1次検査で陰性だった。感染が確認された20人のうち、1人が死亡、2人が退院しており、隔離中の残り17人の病状は安定している。
17日時点での世界での感染確認は7万1,391人、死者は1,776人に達した。うち中国本土が、感染確認7万548人、死者1,770人を占める。
「市中感染リスク低い」
亡くなった男性は、中国・香港・マカオからの帰台者3人を客として乗せたことが判明しており、感染元の可能性がある。家族や医療関係者などの濃厚接触者79人のうち、60人の陰性が確認された。
同センター指揮官の陳時中・衛生福利部(衛福部)長は、一般市民が市中で感染するリスクは極めて低いと分析した。また、必要な際にマスクをつければよいという政策は、現在のところ変更しないと説明した。
陳建仁副総統は、市中で感染が伝播(でんぱ)している状況ではなく、防疫レベルの引き上げは必要ないと説明した。人混みを避け、手洗いをすること、病気の際はマスクを着用し、休養することを呼び掛けた。
海外渡航歴で発熱、全て検査
同センターの荘人祥・監測応変官(衛福部疾病管制署=CDC副署長)は、発熱や呼吸器症状がある場合の通報・検査の対象を、過去14日以内に海外渡航歴がある人全員などに拡大する方針を示した。従来は▽中国本土▽香港▽マカオ▽シンガポール▽タイ──への渡航歴などが対象だった。
衛福部中央健康保険署(健保署)は16日、内政部移民署との協力で行っている全民健康保険カード(健保カード)システムへの▽中国本土▽香港▽マカオ▽シンガポール▽タイ──からの入境情報提供を、出境情報にも拡大し、トランジット客や第三国からの入境した患者が受診した際にも警告情報が表示されるようになったと説明した。
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