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《新型肺炎》中台の航空貨物運賃7倍も、感染拡大の余波(トップニュース)


ニュース 運輸 作成日:2020年2月19日_記事番号:T00088381

《新型肺炎》中台の航空貨物運賃7倍も、感染拡大の余波(トップニュース)

 貨物取扱業者(フォワーダー)によると、新型コロナウイルス感染拡大を受けた中台航空旅客便の減便・運航制限の影響で、中国向けの旅客便の貨物スペースの運賃が、最大7倍に上昇している。中国での工場稼働再開に伴い必要となる電子部品や医療関連品など、緊急受注品を輸送する手段の確保が難しくなっている。19日付経済日報が報じた。

/date/2020/02/19/00top_2.jpg桃園国際空港の旅客数は通常の半分に落ち込み、入境ロビーは閑散としていた(中央社)

 現在、中台間の貨物便は通常通り運航されているが、台湾政府により中台間の旅客便の運航は▽北京(首都)▽上海(浦東・虹橋)▽福建省・アモイ▽四川省・成都──の4都市5空港に制限された。中国での工場稼働再開とサプライチェーン混乱により台湾に緊急受注が舞い込んだことで、緊急受注の輸送で主に利用される旅客便の貨物運賃が急上昇した。半導体、プリント基板(PCB)など大半を占める高単価の電子部品の他、中国で不足している体温計、除菌ライトなど、台湾の輸出規制対象外の医療関連品の輸出が影響を受けている。

 台北発北京向けの旅客便の貨物運賃は1キログラム当たり210台湾元(約770円)へと、通常の30元の7倍に値上がりした。上海、広州(広東省)、深圳(同)など向けは40元と、20元から2倍に上昇。50元を提示する業者もあるなど、一部で業者の「言い値」となっているようだ。貨物便の運賃も上昇している。業界関係者は、運賃にかかわらず、顧客は輸送手段の確保に躍起になっていると指摘した。

 フォワーダーの▽中菲行国際物流(DIMERCOエクスプレス)▽台驊国際投資控股(T3EXグローバル・ホールディングス)▽捷迅(スーネスト・エクスプレス)──などや、航空大手の▽中華航空(チャイナエアライン)▽長栄航空(エバー航空)──が軒並み値上げを行った。

台湾が積み替え拠点に

 世界的に中国への旅客便が減便となる中、数カ月分の緊急受注が中国に殺到したことで、台湾は短期的な積み替え拠点となっているようだ。業界関係者は、世界各地から中国向けの貨物輸送需要は急増するも、貨物機をチャーターするほどの量はなく、コストも見合わないと指摘した。

台湾向け、運賃上昇予想

 一方、現在のところ中国から台湾向けの貨物量は多くないが、電子産業の稼働再開が進めば、台湾向けの運賃も大幅上昇すると予想されている。