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《新型肺炎》自動車・バイク大手、新型ウイルスに商機(トップニュース)


ニュース 自動車・二輪車 作成日:2020年2月21日_記事番号:T00088424

《新型肺炎》自動車・バイク大手、新型ウイルスに商機(トップニュース)

 自動車・バイク大手は、新型コロナウイルス感染拡大を受け、市民が公共交通機関の利用を避け、自家用車を利用する動きを好機と捉え、プロモーションを強化している。PM2.5(微小粒子状物質)ろ過性能を持つ空調のアピールや、自宅での出張試乗サービスで、市民の外出が減り、来店客が例年より3割落ち込む中での販売底上げを図る。オンラインでの発表などを利用し、各社は投入スケジュールを変更しない方針で、今年の新車販売市場への打撃を緩和できそうだ。21日付工商時報などが報じた。

/date/2020/02/21/00luxgen_2.jpgM7・ターボ・エコ・ハイパー。台湾生産の8人乗りLMPVとして初めて販売価格が100万元を下回った(ラクスジェンリリースより)

 自動車大手、裕隆集団の自社ブランド、納智捷汽車(ラクスジェン・モーター)は14日、低価格ミニバン(LMPV)「M7・ターボ・エコ・ハイパー」の2020年モデルを発表した。PM2.5ろ過性能の空調で、空気中の94%の微粒子をろ過できるとうたう。価格は8人乗りのスマートセーフティーモデルが94万5,000台湾元(約350万円)。同社は新型コロナウイルス対策として、ショールームやサービスセンターの定期的なアルコール消毒に加え、出張試乗などのサービスを行っている。

 同集団の中華汽車工業(チャイナ・モーター、CMC)は、インターネットを利用した360度試乗体験や出張試乗サービスで、外出を控える消費者にアピールしている。

オンライン発表会に切り替え

 フォルクスワーゲン(VW)傘下、チェコのシュコダ・オートは、20日行ったハッチバック「スカーラ」の台湾発売発表会を、ネットでのライブ配信に切り替えた。多数の出席予定者が不参加の意向を示したため。価格は83万9,000元からと台湾生産車並みに抑えた。年間1,000台以上の販売を見込む。

 シュコダは、スポーツ用多目的車(SUV)「イエティ」の後継となる「カミック」を第2四半期に投入予定で、年間1,000台以上の販売を見込む。ブランド全体では7,000台以上と、認証の遅れのため伸び悩んだ昨年の不調からの脱却を目指す。

 バイク大手、台湾山葉機車工業(ヤマハモーター台湾、YMT)も、11日行った「LIMI125」新モデルの発表会を、フェイスブック(FB)ファンページでのライブ配信に切り替えた。価格は7万2,000元から。

スズキ、欧風バイク発売

 スズキの二輪車を製造販売する台鈴工業(タイリン・モーター)は20日、同社3車種目の台湾生産車「サルート125」を発売した。価格は7万8,000元。イタリアのデザイナーによる車体デザインで、日本スタイルのスクーター製品の多い台湾市場で差別化を図る。スズキ本社の目に留まり、日本や東南アジアでの販売も検討されている。

/date/2020/02/21/00suzuki_2.jpgサルート125は5色展開。開発に3年を費やした(台鈴工業リリースより)

 台鈴工業の今年のスクーター販売台数予測は1万8,000台で、昨年の1万2,000台を上回る見通しだ。第3四半期発売予定のバッテリー交換式電動バイクを合わせると、バイク販売台数は2万台を超える見通しだ。

 黄教信董事長は、重症急性呼吸器症候群(SARS)流行時にもバイク販売台数が増加したことや、今年は政府による老朽バイク新車買い替えへの補助金支給の最後の1年となることから駆け込み需要が期待できるとして、台湾バイク市場が前年を上回るとの見通しを示した。