ニュース 社会 作成日:2020年2月21日_記事番号:T00088449
台湾では既に各地の桜が相次いで見頃を迎えており、例年であれば週末は大勢の観光客でにぎわい見せるはずが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大による影響で人出が大幅に減少する見通しだ。
桜の名所、新竹県尖石郷の長元璋・新楽村長は、景色の美しさでは日本に負けていないと述べた(中央社)
台中市和平区の山間部に位置する観光農場「武陵農場」は桜の名所として知られ、毎年開花シーズンになると観光客が押し寄せる。周辺の道路が大渋滞となるため、乗用車の通行は制限され、バスで農場へ向かうことが奨励されるほどだ。
今年の武陵農場は、既に桜の見頃を迎えているもののバスの利用者は前年同期に比べ46%減少しており、新型コロナウイルス感染拡大の深刻な影響をうかがわせている。
好天が予想される今週末、新北市では桜が六分咲きとなりシーズンに突入する見通しで、三芝区の青山路や三生歩道、淡水区の淡水天元宮といった名所では228和平紀念日(2月28日)連休にかけて見頃を迎える。
また20年ほど前より桜の植樹が進められてきた新竹県尖石郷でも、3月中旬にかけてショウワザクラやフジザクラ、ヤエザクラなどさまざまな種類の桜が鑑賞できるが、新型コロナウイルス感染拡大の影響が心配される。
台湾だけでなく、桜を目当てに日本や韓国へ花見に出掛ける旅行者の数も今年は激減すると予想されている。
桜のシーズンに日本へ向かうツアーの場合、例年であれば3カ月前までに予約する必要があり、1月初旬の時点で既に満員となるが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で既に団体旅行で3割、個人旅行で5割がキャンセルされたという。
近年増加している韓国での花見ツアーも、ここ数日に新型コロナウイルスの感染確定患者が大幅に増えたことで、キャンセル率が5割まで増えた。
今後、日韓での感染状況が悪化し、政府が渡航勧告の警戒レベルを引き上げた場合、キャンセル数はさらに増えるとみられ、旅行関係業者は頭を抱えている。
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