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《新型肺炎》日韓旅行「警戒」に引き上げ、入境制限も視野(トップニュース)


ニュース 社会 作成日:2020年2月24日_記事番号:T00088455

《新型肺炎》日韓旅行「警戒」に引き上げ、入境制限も視野(トップニュース)

 台湾の感染症対策本部、中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)は22日、日本と韓国での新型コロナウイルス市中感染の拡大を受け、両国の海外旅行感染症情報を3段階の真ん中のレベル2(警戒、現地での防護措置を強化)に引き上げた。今後の状況次第では入境制限措置の実施も視野にある。ファウンドリー世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が日韓を含む感染地域からの工場入構を制限するなど、企業や地方政府の間で往来を制限する動きが出始めた。24日付工商時報などが報じた。

/date/2020/02/24/00top_2.jpg桃園国際空港の日本線待合室。旅客が大幅に減少している(22日=中央社)

 同センター指揮官の陳時中衛生福利部(衛福部)長は、日韓との往来が活発であることを鑑み、状況が悪化すれば両国からの入境制限も視野にあると述べた。台湾居住者には、両国からの入境後14日間の外出制限「居家検疫」が求められる可能性がある。荘人祥・監測応変官(衛生福利部疾病管制署=CDC副署長)は、入境制限措置は中国・香港・マカオと同等のレベル3(警告、不要不急の渡航は中止)に引き上げた場合に検討課題となると説明した。

 台湾外交部は23日、韓国への渡航警戒レベルを4段階で下から2番目のレベル2(特別注意、渡航の是非検討)に引き上げた。日本の渡航警戒レベルは、現在のレベル1(注意喚起)を維持した。

 自由時報によると、TSMCは20日、感染地区に直近の滞在歴のある▽サプライヤー関係者▽顧客▽従業員──に対する入構制限措置を、従来の中国・香港・マカオに加え、▽日本▽韓国▽シンガポール──にも拡大した。入構する場合、14日間の自主的な隔離措置により感染していないことの確認を求める。

日韓渡航歴、医療機関に情報提供

 同センターは、入境時に体調がすぐれない場合は検疫所に申し出ること、帰台後14日以内に疑わしい症状が出た場合は専用ダイヤル1922に連絡してから、指示に従い医療機関を受診するよう呼び掛けている。

 衛福部中央健康保険署(健保署)は21日、内政部移民署との協力で行っている全民健康保険カード(健保カード)システムによる医療機関診察時の渡航歴の警告表示の範囲を、日本と韓国にも拡大した。これまでは▽中国・香港・マカオ▽シンガポール▽タイ──への渡航歴が対象となっていた。

 現在、日韓を含む感染地区に過去28日以内に渡航歴のある人の献血が規制されているため、献血量が前年同期比15%減少し、台湾全土の血液の平均在庫が5日分を下回っている。

花見シーズンの訪日ツアー、キャンセル率7割

 交通部観光局によると、日韓の海外旅行感染症情報がレベル2に引き上げられたことで、旅行会社との契約解除に際し、手続き関連費用を除き95%の返金が受けられるようになる。中華民国旅遊品質保障協会の蔡錦恵・北東アジア線委員は、日韓ツアーのキャンセル率は既に7~8割あるが、感染症情報レベルの引き上げでさらに取りやめる人が増加し、過去最悪の花見シーズンになるとの見通しを示した。日韓ツアーは旅行会大手の売上高の3~5割以上を占めており、打撃は免れられない。

日韓航空路線、7割減便の恐れも

 航空最大手、中華航空(チャイナエアライン)の日韓路線は過去1週間で1割の減便となった。同社は予約状況を見て、さらなる減便や便の統合、より小型の機体での運航を検討している。旅行業界関係者は最悪の場合7割減便もあり得ると予測した。

 中華航空の売上高構成比は日本路線が25%、韓国路線が4%を占める。中国・香港路線と合わせると、影響を受ける範囲は51%に達する。

イタリア旅行に「注意」

 中央流行疫情指揮センターは23日、イタリアとイランに新たに新型コロナウイルスの海外旅行感染症情報レベル1(注意、現地での一般的な予防措置)を出した。現在、レベル3が▽中国▽香港▽マカオ──に、レベル2が▽日本▽韓国▽シンガポール──に、レベル1が▽タイ▽イタリア▽イラン──に出ている。