ニュース 社会 作成日:2020年2月25日_記事番号:T00088509
先日、新型コロナウイルスの感染拡大で事実上封鎖された中国・湖北省を訪れたまま、帰還できなくなってしまった台湾籍の血友病患者の少年(14)に、中国では入手できない注射薬を台湾からリレー方式で届けたというニュースを本欄でお伝えした。湖北省の封鎖が続く中、前回届けられた薬も底をつき、少年に再度危機が迫ったが、各界の協力の下、24日夜に無事、成都経由で台湾へ帰還した。
少年と母親は、機内では最後列に座り、食事は取らず、他の乗客と別のトイレを使用した(25日=中央社)
少年は中国では入手できない注射薬を1週間に1度、皮下注射しなければならず、これを中断すると関節内や全身から出血する危険な状況に陥る可能性がある。少年は母親とともに1月末に湖北省荊門市を訪問した際、2週間分の注射薬を携行したが、思いがけず都市封鎖措置に遭い、薬が足りなくなる危機に。これを知った台湾の対中窓口機関、海峡交流基金会(海基会)は航空会社や台商協会の協力を得て、高雄市の病院から荊門市まで約1日半で2週間分の注射薬をスピード配達した。
封鎖措置はその後も続き、少年は届けられた薬も使い切ってしまい、海基会は再び、台湾から送り届ける計画を立てた。23日、台商協会から少年を台湾へ帰還させるとの通知があり、台湾側はすぐに移動に関わる医療面、感染防止面での準備に取り掛かった。
中台間の航空便は現在、中国側は▽北京(首都)▽上海(浦東、虹橋)▽アモイ▽成都──の4都市5空港のみに限定されているため、中国側で準備を進めた荊門台商協会の簡俊男会長は、地元当局や少年の母親と相談した結果、距離や車での道のりを考慮し、成都双流国際空港へ向かうことを決定。23日午後11時すぎに荊門市を出発し、重慶経由で1,000キロメートル以上を走破し、24日午前10時ごろ空港に到着した。
同日午後7時15分、少年と母親は、台湾から感染防護装備を携えて派遣された看護師とともに、成都空港を出発。午後10時46分に桃園国際空港に到着した。
少年は航空機の駐機場で入境手続きを行い、救急車で北部の病院へと移送された。今後、母親とともにウイルス検査を受け、陽性が確認された場合は入院となり、陰性だった場合は隔離施設で14日間の観察措置を取る。
台湾に戻ったことで注射薬が足りないという不安からは開放され、ずいぶん安心したことだろう。
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