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《新型肺炎》ホテル稼働率3割、「観光客ほぼゼロ」(トップニュース)


ニュース 商業・サービス 作成日:2020年2月26日_記事番号:T00088514

《新型肺炎》ホテル稼働率3割、「観光客ほぼゼロ」(トップニュース)

 新型コロナウイルス感染の世界的拡大を受け、台湾にある国際ブランドの観光ホテルの客室稼働率は半分以下、一部で約30%に低下した。国際ホテルブランドは、ホテルの加盟店や運営委託先に対し、ロイヤルティーや管理費の徴収を見合わせる措置を始めた。旅行業の業界団体は、上半期のインバウンド客(訪台旅行者)はほとんどゼロに等しく、2003年にかけて流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)当時以上の落ち込みに懸念を示した。26日付工商時報などが報じた。

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 ホテルチェーン世界大手、マリオット・インターナショナルは、台湾にある傘下ブランドのホテル14軒に対し、2〜3月はロイヤルティーや管理費の徴収を見合わせると通知した。

 これに先駆けヒルトン・ホテルズ&リゾーツは7日、中華圏での徴収見合わせを決定している。

 インターコンチネンタルホテルズグループ(IHG)は、傘下ブランドの台湾のホテル10軒について、同様の措置の検討に入った。

 台北万豪酒店(台北マリオット・ホテル)の劉恒昌常務董事は、国際ブランドの配慮に感謝し、ともに困難を乗り越える考えを示した。政府に対しては、観光ホテル事業に対する税負担の減免や補助政策を求めた。

 旅行業の業界団体、中華民国旅行商業同業公会全国聯合会(TAAT)の呂中豪広報担当は、新型コロナウイルスの流行が6月まで続けば、上半期のインバウンド客はほぼゼロに等しく、下半期も延べ400万~500万人にとどまるとの見通しを示した。政府関係者は、今年インバウンド観光客の延べ1,000万人超えは困難とみている。

訪台客多い市場で感染拡大

 交通部観光局が25日発表した昨年の訪台客は延べ1,186万4,000人で前年比7.2%増だった。内訳は、▽中国、271万4,000人(1%未満の微増)▽日本、216万8,000人(10.1%増)▽香港・マカオ、175万8,000人(6.3%増)▽韓国、124万3,000人(21.9%増)──の順だった。

 現在、台湾政府の感染症対策により中国・香港・マカオからの訪台が原則禁止されている他、感染が急速に拡大した韓国からの入境には14日間の外出制限「居家検疫」が求められるため、当面は観光客の訪台が見込めない。

 感染が広がっている日本や、広がりつつあるタイなどからの入境には14日間の「自主健康管理」が求められ、外出時には医療用マスクをつけ、公共の場所への出入りは控えるよう通知される。

 日本人を含む世界的な旅行自粛ムードも訪台意欲に影響しそうだ。

旅行会社95%、存続の危機

 旅行業界関係者は、台湾での海外旅行などのキャンセル金額は100億台湾元(約360億円)以上に上り、旅行会社全体の上半期売上高は1,000億元押し下げられると予測した。複数の旅行会社のトップは、このまま流行が続けば、5月末には旅行会社500社以上が倒産し、6〜7月まで続けば旅行会社の95%が生き残れないと懸念している。

【表】