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《新型肺炎》大甲鎮瀾宮の媽祖巡行、予定通り実施へ


ニュース 社会 作成日:2020年2月26日_記事番号:T00088536

《新型肺炎》大甲鎮瀾宮の媽祖巡行、予定通り実施へ

 新型コロナウイルス感染が世界中に拡大する中、台湾でも感染防止のため大規模イベントの中止・延期が相次いでいる。毎年旧暦3月に行われ、100万人を超える信徒が参加することからメッカ巡礼、バチカンのクリスマス・ミサと並び「世界三大宗教イベント」の一つにも数えられる「大甲媽祖遶境」について、責任者はきょう26日、「予定通り実施する」と表明した。

/date/2020/02/26/19kakomi_2.jpg現地で参加できない人のためにライブ配信も予定されている(26日=中央社)

 「媽祖」は航海・漁業の守護神として台湾をはじめ中国大陸沿海部で信仰を集める道教の女神。大甲媽祖遶境は、台中市大甲区の道教廟(びょう)、大甲鎮瀾宮にまつられる媽祖像を神輿(みこし)に乗せて信徒が担ぎ、台中市、彰化県、雲林県、嘉義県にまたがる約340キロメートルを9日間をかけて徒歩で練り歩く儀礼だ。

 大甲媽祖遶境の出発日については毎年、元宵節(旧暦1月15日、2020年は2月8日)に占いで決められるが、今年は3月19日に決定。同日から28日にかけて巡行が行われることとなった。

 新型コロナウイルスの感染状況が深刻化する中、中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)指揮官の陳時中衛生福利部(衛福部)長が「感染予防の視点から見れば、媽祖の巡行にはリスクがある」と語り、徐国勇内政部長も「延期すべき」と提言。医学界からも「中止がベスト」と指摘する声が上がった。

 一方、大甲鎮瀾宮の顔清標董事長は24日、「巡行は屋外で行われるため、予定通り実施する」と語った上で「媽祖がみんなを守ってくれる」と発言。同廟のフェイスブック(FB)ページには大量の批判コメントが書き込まれ、炎上状態となった。

 顔董事長はきょう午前、政府によって禁止されない限り、巡行は予定通り実施すると改めて表明。ただ出発日の19日に予定される大宴会や、嘉義県新港郷の新港奉天宮で23日に予定される媽祖の生誕祭など1カ所に大勢が集まるイベントは中止する他、神輿を触ったり、その下をくぐったりする行為は禁止すると発表した。また、専門的判断を基に政府から巡行の中止または延期を命じられた場合はこれに従うと語った。

 韓国では、ある宗教団体の大規模礼拝が急激な感染拡大の原因となったとされる。大甲媽祖遶境はその二の舞いとなる恐れもあり、今後、議論を呼ぶとみられる。