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《新型肺炎》感染確認者のペット、条件付きでウイルス検査可


ニュース 社会 作成日:2020年3月3日_記事番号:T00088623

《新型肺炎》感染確認者のペット、条件付きでウイルス検査可

 香港政府が先ごろ、新型コロナウイルスへの感染が確認された患者が飼っているペットの犬1匹に対し検査が実施され、弱い陽性反応が確認されため、隔離措置を講じたと発表した。これを受けて、台湾でもペットの飼い主の間で不安が広がる中、行政院農業委員会動植物防疫検疫局(農委会防検局)は2日、「現時点で犬や猫が新型コロナウイルスに感染するとの科学的根拠はない」と強調した上で、条件に合致すればペットへのウイルス検査を受け付けると発表した。

/date/2020/03/03/19kakomi_2.jpg農委会防検局の徐栄彬副局長は、新型コロナウイルス感染が確認された飼い主は、ペットとの濃厚な接触は避けるよう呼び掛けた(2日=中央社)

 防検局は同日、専門を集めた会議を開き、世界保健機関(WHO)や国際獣疫事務局(OIE)、世界小動物獣医師会(WSAVA)といった関連機関、国際的な科学雑誌のいずれにおいても犬や猫が新型コロナウイルスに感染するとの科学的根拠は報告されていないとの事実を確認した。

 また2003年にかけ流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)でも犬や猫への感染は確認されておらず、類似する新型コロナウイルスもペットが感染する可能性は非常に低いとみられる。

 なお香港での事例について防検局は、犬の鼻腔(びくう)および口腔(こうくう)内から採取した検体から弱い陽性反応が確認されており、犬自体に症状は出ていないと指摘。感染が確認された飼い主と近距離で接触したことにより、ウイルスが付着した可能性が高いとの見方を示した。

 このため感染が確認された飼い主のペットは、患者の家族とともに外出制限措置を受けるだけで十分で、過度に懸念する必要はないと呼び掛けた。一方で、農委会家畜衛生試験所(家衛所)は、感染が確認された飼い主のペットを対象に、発熱や呼吸器官の異常が見られ、獣医師による遠隔診断で感染の可能性が疑われた場合に限り、ウイルス検査を実施すると発表した。

 また防検局は、感染が確認された飼い主のペットについて、世話をする家族や友人がいない場合は、近隣の動物防疫機関に協力を要請するよう呼び掛けた。なお台北市では「居家隔離」や「居家検疫」といった外出制限措置を受ける市民のペットを動物保護処(動保処)が1日200~3,000台湾元(約720~1万800円)で預かるサービスを提供している。