ニュース 電子 作成日:2020年3月4日_記事番号:T00088636
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は3日、米半導体大手のブロードコムとの提携で、「チップ・オン・ウエハー・オン・サブストレート(CoWoS)」強化版による先進パッケージング(封止)を提供すると発表した。2016年当時の同技術に比べ、速度が2.7倍に向上したとうたう。TSMCは、第2四半期量産予定の5ナノメートル製造プロセスと合わせ、半導体の製造からパッケージング・テスティング(検査)までのワンストップサービス強化を目指す。4日付工商時報などが報じた。
CoWoS強化版では、業界で初めて2倍レクチルサイズのインターポーザー、面積約1,700平方ミリメートルに対応した。先進高性能計算(HPC)システムにおけるシステム・オン・チップ(SoC)搭載数増加で、計算能力向上を実現する。5ナノ製品にも対応可能だ。
同技術では、複数のロジックSoCダイと、最大6個、96ギガバイト(GB)相当のハイ・バンドワイド・メモリー(HBM)をパッケージングでき、毎秒2.7テラバイトの処理速度に対応する。ディープラーニング(深層学習)などメモリー志向型処理、第5世代移動通信(5G)ネットワーク、省電力のデータセンターでの処理に適している。
両社は提携において、ブロードコムが複雑なトップダイ、インターポーザー、HBMの構成定義を担当し、TSMCが2倍サイズのインターポーザーに対応する堅牢(けんろう)で留まり率が良く、高パフォーマンスの製造工程を開発した。
TSMCがCoWoSを発表したのは12年。桃園市龍潭に生産拠点があるが、高コストのためプログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)のザイリンクスなど少数顧客の採用にとどまっていた。
先進パッケージングの重要性が高まる中、同社はCoWoSや集積ファンアウト(InFO)でのパッケージングを提供しており、21年にはシステム・オン・インテグレーテッド・チップス(SoIC)やウエハー・オン・ウエハー(WoW)といった3次元(3D)ICパッケージングが量産に入る予定だ。
5ナノ、主要顧客が軒並み採用
ブロードコムによるCoWoS強化版の採用が確実視される中、TSMCは5ナノ製造プロセス製品でも、5G、人工知能(AI)向けなどでブロードコムから受注が増える可能性が高まった。
TSMCの5ナノ製造プロセスは、第2四半期の量産入りを予定し、第3四半期には生産能力の大幅増強が見込まれている。主要顧客の▽アップル▽華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)傘下の海思半導体(ハイシリコン)▽クアルコム▽ブロードコム▽聯発科技(メディアテック)▽アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)──などが、軒並み採用する見通しだ。
TSMCは今年、設備投資に過去最高の150億~160億米ドルを投じる見通しで、7ナノ生産能力の増強と5ナノ生産能力の設置を行う計画だ。▽半導体検査用部品の中華精測科技(CHPT)▽極端紫外線(EUV)ポッドの家登精密工業(Gudengプレシジョン・インダストリアル)▽エレクトロニクス検査・認証サービスの宜特科技(iST)▽ハイテク製造設備ソリューションの信紘科技(トラスバル・テクノロジー)▽自動化設備の迅得機械(シムテック・オートメーション・アジア、SAA)──などの恩恵が見込まれる。
TSMCは、新型コロナウイルス感染拡大にもかかわらず、上半期の7ナノ稼働率が高水準を維持する見通しだ。
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