ニュース 社会 作成日:2020年3月4日_記事番号:T00088638
台湾では4日より、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、14日間の外出禁止「居家検疫」の対象となる入境者は、空港からの移動手段にバスや都市交通システム(MRT)など公共交通機関を利用することができず、専用のタクシーの利用が求められる。現在、こうした自宅隔離対象者の移動需要に応えるため、各地でタクシーが活躍しており、専属の運転手に対し政府や地方自治体が手厚い保障を提供している。
桃園空港では車両620台がスタンバイしている(4日=中央社)
台北市政府は2月半ば、感染が確認された患者と接触したことを理由とする「居家隔離」、および▽中国▽香港▽マカオ▽韓国▽イタリア▽イラン──での滞在歴などを理由とする「居家検疫」の対象者が、14日間の外出禁止措置を受けている間に別の病気にかかったり、けがを負ったりした場合の病院への送迎用に、タクシー業者と協力し、感染防止策を講じた車両を使った搬送チームを編成。現在、2台のタクシーが待機しており、これまで4度出動した。
このタクシーの運転手は担当に名乗りを上げ、まず市衛生局で教育、訓練を受けた後に実際の業務を開始。運転中は手袋、マスクの着用や窓の開放、運転後は車両消毒などが求められる。
運転手は1カ月契約で、一般の乗客を乗せることができないため、待機するだけで出動がなくても日給3,500台湾元(約1万2,500円)が保障される。契約を更新しなかった場合に求められる14日間の自宅隔離措置を受ける間も同じ日給が支払われるため、1カ月(30日)働いて辞めた場合の報酬は15万4,000元となる。
一方、新北市では普段、障害者や高齢者に交通手段として利用されている「復康バス」サービスの車両を、自宅隔離者の病院送迎に活用している。現在は登用されているのは1台だけだが、今後、状況に応じて対応するという。
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