ニュース 社会 作成日:2020年3月6日_記事番号:T00088700
徐国勇内政部長が5日、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、飲酒運転の一斉取り締まりを一時中止すると表明したことに対し、飲酒運転の撲滅を目指す団体や地方自治体の首長から反発の声が上がっている。
昨年から今年の2月までの飲酒運転での取り締まり件数は9万7,597件だった(5日=中央社)
台湾における飲酒運転取り締まりは、内政部警政署主導で月に2度、全土一斉に実施されている他、地方の警察局が各地の状況に応じて適宜、行っている。人口が密集している6直轄市では、少なくとも毎月4度、全市一斉の取り締まりが実施されている他、警察局の各分局がそれぞれ4度以上、実施している。
近年、飲酒運転に対する刑罰が軽過ぎるとの世論を考慮し、罰金額の引き上げや同乗者への連座制導入など厳罰化が進められている。こうした中、徐内政部長は5日、立法院でアルコール呼気検査を通じた警察官の新型コロナウイルス感染リスクについての質疑を受け、「全国一斉取り締まりを一時取りやめる」と説明した。
その後、この決定に対し批判の声が上がり、さらには感染防止のため、飲酒運転の取り締まりが全面的に中止されるとの誤った情報まで伝えられる事態となった。
徐部長は「全国一斉取り締まりの中止は、同業務を担当する保安警察官が、新型コロナウイルス関連の支援業務に携わっていることが理由」と釈明。各県市の警察局による取り締まりは従来通り実施されると強調した。
飲酒運転の撲滅を目指す台湾酒駕防制社会関懐協会(TADD)は、徐内政部長に対し「軽率な発言が飲酒運転撲滅運動に打撃を与えた」と批判。韓国瑜高雄市長も「内政部がどう言おうが、高雄市政府警察局は取り締まりの手を緩めない」と反発する姿勢を示した。台北市の黄珊珊副市長も「新型コロナウイルスによる死者は現時点で1人だけだが、飲酒運転が原因の死者は昨年147人に上った」と指摘し、中央政府の政策には追随しないとコメントした。
ただ感染症の専門家からは「呼気検査を通じてドライバーの息が警察官の手にかかり、感染する危険性は確かにあるため、取り締まりの中止は理解できる」との意見が聞かれた。現場の警察官からは、「全国一斉取り締まりは象徴的な意味合いが強く、実際の摘発は日常のパトロールが中心」「取り締まりの回数が減れば感染リスクも減る」として内政部の決定を歓迎する声が上がっている。
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