ニュース 社会 作成日:2020年3月9日_記事番号:T00088726
台湾にとって数少ない友好国の一つ、太平洋に浮かぶ島国のパラオでこのほど、新型コロナウイルス感染の疑い例が発生した。パラオには同ウイルスの検査能力がなく、台湾の医療チームが検体を空輸させて検査を実施し、無事、陰性を確認。パラオ政府から感謝状を受け取った。
ビデオ会議の様子。中央流行疫情指揮中心(中央流行疫情指揮センター)指揮官の陳時中衛福部長は、設備や検査能力がなくても、リモートで検体採取をサポートできると説明した(7日=中央社)
今月1日、パラオで医療ボランティアとして活動していた73歳の米国人女性に肺炎や咳(せき)などの症状がみられたことから、診察した医師は新型コロナウイルスへの感染の疑いがあるとして隔離措置を取った。
しかし現地の医師には検体の採取に関する知識がない上、採取できたとしてもこれを検査する設備もなかった。パラオ政府は米国に支援を求めたが、米領グアムにも検査設備が設置されておらず、フィリピンや日本からは検体の輸送にはリスクがあるとして支援を拒否されたようだ。
そこで、台湾にも支援が要請され、新光呉火獅紀念医院(新光医院)が承諾した。衛生福利部(衛福部)、外交部の承認を得て検体を台湾へ運び込み、検査することを決めた。
この決断について新光医院の侯勝茂院長は、「検体を遠く離れた米国本土へ送付すれば時間がかかるが、台湾ならパラオから近い。それに、当院はパラオの現地病院と密接な交流がある」と説明した。
その後、新光医院の専門医がビデオ会議で、パラオの医師に検体の採取方法、保管方法を指導した。患者から採取された検体は、台湾へと空輸で発送され、6日午後9時ごろに桃園国際空港に到着した。衛福部疾病管制署(CDC)の協力の下、検体は台北市内の実験施設に送られ、検査の結果、7日午後に陰性が確認され、直ちにパラオ政府に伝えられた。
新型コロナウイルス対策で世界各国から高い評価や称賛の声を集めている台湾政府は、5月に開催される世界保健機関(WHO)の年次総会、世界保健総会(WHA)への参加を目指し、「Taiwan Can Help(台湾は力を貸せる)」をスローガンとするキャンペーンを展開している。今回のパラオ支援はこれを後押しする絶好の事例となりそうだ。
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