ニュース 社会 作成日:2020年3月16日_記事番号:T00088862
新型コロナウイルスの感染拡大による影響が長引く中、台湾でも市民のストレスが高まっているもようだ。実名制によりマスクを販売する薬局で、本人確認のための身分証明書を誤って別の客に返却してしまった薬剤師に対し、客が土下座を要求するというトラブルが発生した。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて2月上旬、マスク販売に特約薬局を通じた実名制が導入されたが、品薄状態に変わりはなく、各薬局には長蛇の列ができる日が続き、薬剤師は対応に追われている。
こうした中、今月11日、台北市南港区の薬局を訪れた女性(60)は、身分証明用に全民健康保険(健保)カードを提示し、マスクを購入した。その際、対応に当たった薬剤師が誤って別の客のカードを返却してしまった。カードが自分のものか確認するよう念を押されていたものの、女性客は間違いに気付かず、そのまま店を後にした。
翌日、他人の健保カードを渡されたと知った女性は再び薬局を訪れてミスを指摘した。女性のカードを受け取った客はまだ来店していなかったため、女性は自分のカードをすぐに受け取れないと分かると激怒し、薬剤師に問題があったとして土下座による謝罪を要求した。
薬剤師はトラブル解決のため、涙をのんで客の要求に応じた。
今回のトラブルを報道で知った薬剤師の同業者団体、中華民国薬師公会全国聯合会は13日、「薬剤師の尊厳を大きく損なう侮辱」と厳しく非難。女性客の行為は強制罪や公然侮辱罪などに当たると指摘し、3日以内に公の場で謝罪しなければ、法的手続きを取るとの声明を発表した。
騒動を受けて台北地方検察署も捜査に着手。その結果、特定されて出頭した女性客は「わたしの言い方が悪かった」と後悔を口にしたものの、「土下座は要求していない」と主張した。薬剤師は15日に記者会見を開き、女性を提訴すると表明した。同時に、新型コロナウイルスによる影響が続く中、市民に対し理性的な行動を取ろうと呼び掛けた。
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722