ニュース 社会 作成日:2020年3月20日_記事番号:T00088972
新型コロナウイルスの海外旅行感染症情報レベル3(警告、不要不急の渡航は中止)の発表が100カ国・地域に拡大し、台湾人ビジネスパーソンや留学生の帰台が大幅に増加している。台湾では19日より、全ての入境者が14日間の外出制限「居家検疫」の対象となったことを受け、帰台者やその家族をターゲットする宿泊プランを打ち出すホテルが相次いでいる。
ハンズ・ハウスは客室内に電子レンジ、冷蔵庫、Wi-Fiなど長期滞在に必要なものがそろっている(19日=中央社)
統計によると、ここ2日間の帰台者の数は1日当たり約9,000人に上っており、これら全員が自宅や滞在先での「居家検疫」措置を受けることになる。対象者が自宅に待機する場合、外出禁止、毎日の体温測定・報告に加え、家族など同居人と常に1メートル以上の距離を保ち、同じテーブルで食事しないなど、接触を避けることが求められる。
こうした中、台湾各地で地元自治体と提携し、万全の感染予防対策を講じて居家検疫対象者の宿泊を可能にした「防疫ホテル」が登場しており、台北市と提携する2軒は既に満室となっている。
同市ではさらに19日、信義区の瀚寓精品酒店(ハンズ・ハウス)が第3の防疫ホテルとして100室を提供すると発表した。宿泊料は3食付きで1泊7,500台湾元(約2万7,000円)からと安くないが、初日から満室となり、さらに100人以上が空きを待っているという。市政府によると、来週にも同様のサービスを提供するホテルが2~3軒加わる見通しだ。
家族向けホテルも
今後、居家検疫の対象者が急激に増えると予想され、防疫ホテルの部屋数不足が懸念される中、台北市政府は19日、対象者が防疫ホテルなどに宿泊する場合(家族は自宅)、または対象者を自宅に残し、家族がホテルで宿泊する場合、14日間で7,000元を支給すると発表。新北市政府も市内のホテルと協力し、居家検疫対象者の家族が通常の5~7割引きで宿泊できるプランを提供する。
雲朗観光(LDCホテルズ&リゾーツ)は傘下のホテル8軒で、居家検疫対象者の家族が7日以上宿泊すれば、宿泊料を割り引くプランを提供。海覇王集団傘下の徳立荘酒店(ミッドタウン・リチャードソン、台北市中正区)と城市商旅(シティースイーツ)・真愛館(高雄市塩埕区)もペアで1人1泊666~788元の14日間宿泊プランを打ち出している。
ホテル業界は新型コロナウイルスの感染拡大で観光客が激減し、客室稼働率の低下が深刻だった。居家検疫の対象者を自宅に残して、家族がホテルに宿泊するケースが増えれば、ホテル業界にとって退避ラッシュは恵みの雨となりそうだ。
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