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《新型肺炎》ウイルス検査従事の医師、二重防護服で8時間勤務


ニュース 社会 作成日:2020年3月23日_記事番号:T00089004

《新型肺炎》ウイルス検査従事の医師、二重防護服で8時間勤務

 台北市内の病院に勤務する男性医師がこのほど、自身のフェイスブック(FB)ページにアップロードした自撮り画像が話題を集めている。汗でびしょぬれの乱れた髪、頰に何本ものしわのようなものが刻まれた医師の顔が写された画像が投稿されると、たちまちコメント欄には「ありがとう」「お疲れさま」など感謝とねぎらいの言葉がずらりと並んだ。

/date/2020/03/23/19fb_2.jpg鄒医師。帰台者が外出制限「居家検疫」の措置をしっかりと守ることが、医療従事者にとって最大の助けになると呼び掛けている(鄒医師のFBより)

 この画像を投稿した鄒冠全医師は、普段は台北市立聯合医院忠孝院区の胸腔(きょうくう)外科で働いているが、世界各国・地域での新型コロナウイルスの感染拡大と封鎖措置を受け、台湾人ビジネスパーソンや留学生の帰還が大幅に増加する中、空港でのウイルス検査に当たる医師の数が不足していると知り、志願した。

 空港では、発熱の症状が見られた旅客は専用エリアに移送され、新型コロナウイルスの感染有無を調べるウイルス検査を受けることになる。この専用エリアで検査に従事する医師は、感染防止のため、頭までを覆う2層の防護服、ろ過効率の高い「N95」規格マスク、ゴーグル、手袋、シューズカバーを着用することになる。

 これら防護装備の着用には7~8分を要し、いったん、任務に就けば4時間以上、脱ぐことができない。その間、水を飲むことも、トイレに行くこともできず、装備を脱ぐ際には一つ脱ぐたびにアルコール消毒を行う必要がある。

 20日の午前5時から午後1時まで、桃園国際空港でウイルス検査に当たった鄒医師は、勤務後に完全武装を解いた後、全身汗まみれとなり、顔にはゴーグルとマスクの後がくっきりと刻まれていた。

 投稿に大きな反響があったことでメディアの取材を受けた鄒医師は「2月から感染防止の任務に当たっている関係者こそ大変で、自分の助力はごく小さなもの」と語り、皆で力を合わせてこの難局を乗り越えようと呼び掛けた。