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《新型肺炎》晶華が役員報酬ゼロ、ホテル業界に「無給休暇」懸念(トップニュース)


ニュース 商業・サービス 作成日:2020年3月24日_記事番号:T00089009

《新型肺炎》晶華が役員報酬ゼロ、ホテル業界に「無給休暇」懸念(トップニュース)

 観光ホテル最大手、晶華国際酒店(フォルモサ・インターナショナル・ホテルズ、FIH)は23日の董事会で、董事と監事の2019年報酬ゼロを決定した。幹部は30%減給する。ホテル業では追随が予想される他、新型コロナウイルス感染拡大の打撃が続けば、4月にも「減班休息」(景気を理由とした労働時間削減。いわゆる「無給休暇」。実際には有給を含む)が相次ぐ恐れがある。24日付経済日報などが報じた。

/date/2020/03/24/00regent_2.jpgリージェント台北。潘董事長は、新型コロナウイルスの終息後に備え、戦力を最高の状態で維持すると強調した(23日=中央社)

 新型コロナウイルスの打撃による役員報酬取り消しはホテル業界で初めて。

 潘思亮董事長は、旅行最大手の雄獅旅行社(ライオン・トラベル・サービス)が先週、役員報酬取り消し、幹部の30~50%減給を決定しており、同社も後に続くと説明した。一方で、企業の自助努力だけは限界があり、政府の支援が必要と訴えた。

 これまでに同社は外国人観光客の急減を受け、傘下の▽高級ホテル、台北晶華酒店(リージェント台北、台北市中山区)が1泊6,000台湾元(約2万2,000円)で館内で使用できるチケット8,000元分付きプラン▽レストラン、故宮晶華(シルクパレス、台北市士林区)が弁当宅配サービス──など、台湾人客の利用を促進してきた。リージェント台北は従来9月開始予定だった改装を2月中旬に前倒しして着工している。

 同社は従業員の雇用を守ることを最優先とし、人事部が「観光業モデル転換研修」を計画している。交通部は仕事のなくなった従業員に対し「無給休暇」を実施したり解雇したりするのでなく、研修を実施するよう呼び掛けており、研修が条件に合えば補助金を申請できる。

無給休暇、寒舎餐旅も検討

 ホテル業界では、台北喜来登大飯店(シェラトングランド台北ホテル)などを運営する寒舎餐旅管理顧問(マイ・ハンブル・ハウス・ホスピタリティー・マネジメント・コンサルティング)が「無給休暇」を検討中で、労使合意の上、今後2日以内にも発表するもようだ。これまでに従業員に対し休暇取得を奨励していた。

 亜都麗緻大飯店(ザ・ランディス台北、中山区)は3月中旬に、4月1日より3カ月間、毎月6日間の無給休暇を実施する方針が明らかになっている。国賓大飯店(アンバサダーホテル)は休暇取得を奨励し、分散勤務を行っている。台北文華東方酒店(マンダリンオリエンタル台北、台北市松山区)は、休暇取得を奨励したり、休職の申請条件を緩和したりしている。

 旅行業界では、ライオントラベルに続き、五福旅行社(ライフトラベル&ツーリストサービス)が23日、董事の19年報酬ゼロを決定した。幹部も減給する方針だ。