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旭硝子の溶解炉10基へ、アジア最大の生産拠点に


ニュース 電子 作成日:2008年7月17日_記事番号:T00008907

旭硝子の溶解炉10基へ、アジア最大の生産拠点に

 
 旭硝子の石村和彦社長は16日、尹啓銘経済部長と会談した際、台湾域内のガラス溶解炉を現在の4基から6基へと増やし、最終的には10基まで拡大する考えを表明した。友達光電(AUO)や奇美電子(CMO)が第10世代工場を計画するなど、台湾パネルメーカー向けのガラス基板需要がさらに高まるという判断の下、投資を拡大する考えとみられる。10基目までの拡張が実現した時点で、台湾は旭硝子のアジア最大のガラス基板生産拠点となる。17日付経済日報が報じた。
 
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5基目は中科雲林基地に
 
 旭硝子は5基目のガラス溶解炉の建設地問題が長引いていたが、結局、既に4基を構えている中部科学工業園区(中科)雲林基地を選び、8月8日に着工することを決定した。完成は2009年初頭の予定で、投資額は120億台湾元(約414億円)だ。

 第5溶解炉の建設候補地としては、南部科学工業園区(南科)樹谷園区、台南科技工業区、彰浜工業区(彰化県)、馬稠後工業園区(嘉義県)などの名前が挙がっていた。当初は顧客の奇美電と同じ南科樹谷園区を希望していたが、環境アセスメントが順調に進まなかったため取り止めたとみられる。

 第5溶解炉の量産時期は、友達、奇美電の8.5世代工場の量産開始予定に合わせ、来年6月ごろになるものと予想されている。稼働によって、台湾でのガラス基板の生産能力は2割以上の増加が見込め、さまざまなサイズのパネルに対応できる。

 なお、第6溶解炉も120億元を投じて中科雲林基地に設置する計画だ。第10基まで拡張した場合、総投資額は720億元となる見通しとなっている。

10世代への供給、コーニングと競争

 ガラス基板最大手の米コーニングと2位の旭硝子の間では、友達と奇美電が設立予定の第10世代工場に向けて、ガラス基板供給の激しい競争が繰り広げられそうだ。 友達は、コーニングと旭硝子、日本電気硝子の3社に対し、10世代工場(建設地未定)の設置時期に合わせたガラス基板生産の展開を正式に要望したもようだ。第10世代パネル向けガラス基板は縦横約3メートル(2,850mm×3,050mm)と大きく、輸送面の問題を考えると、パネル工場に隣接させてガラス溶解炉を設置するのがベストだ。

 奇美電は、第10世代工場設置に向け、このほど高雄県政府に用地確保の協力を依頼している。